所長は、目線をそらし ながら、照れくさそうに話した。
「君は、自分がなぜこの世に生まれたかを考えたことがあるかね?」
オレは、苦笑いをした。
「私たちは、自分の意志で生まれてこない。親の快楽と感情だけで、子供は生を受け、親の価値観を押し込まれ、それをすべて正しいこととして教え込まれる。
たとえ、それが間違っていたとしてもだ。 私たちは、親のしがらみから抜けられないかもしれない」
「…………」
「人というものは、自然界の中では最も弱い生き物だと実感したよ。 自らの苦痛をかわすために、神を作り出し、あがめてみたり、ストレスを発散するために弱者を殺したりしている。 現在の社会でさえ、そんな光景が異常かと思うかもしれないが、ここにいると、それが普通に感じてしまう。 本来の常識というものは、何なのか疑問に感じてしまうよ」
「…………」
「もともとここは、堕落した人が集まるようなところだったのが、『リサイクル場』 と一緒になってから、どんどん進化してしまった」
「確かに、それは資料で読みました」
オレは、ゆっくりと答えた。