友人は、ゆっくりと顔を上げながら話した。


「この話を、本当に信じてくれるのか?」


俺は、黙って頷いた。




「このことを話す前に、確認したいことがある。 もしオレが、あのニワトリと会話ができるとしたら、お前は信じるか?」


「もちろんだよ。 俺にも聞こえたんだ」


「……そうか……それなら話は早いな。 両親のあとを継いで、ここの所長になったけど、こんなことになるとは思わなかったよ」


彼の瞳は、明らかに死んでいた。


「いつも、えさやりとか普通に世話をしてきたけど、あるとき、彼らのことがわかるといいなって思い始めたんだ。 そしたら、声が聞こえ始めたんだ」


「…………」


「最初は、オレも驚いたよ。 こんな能力が身についたのだって。 これから、いろんな事ができる気がしたよ」




確かに同感だった。 言葉が通じ合うことは、いいことだと思う。 そこに、どんな弊害があるのだろうか?


「納得できないよね。 当然だよ。 だけど、現場に行けば解るよ」


友人と俺は、養鶏場に向かった。







全  無帰





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