最近は、俺の周りがおかしくなってきた。
巷では、ライヴ ストックという場所が、人気になり始めたらしい。
たまたま雑誌で読んだのだが、ミステリアスな感じが、ゴシック界では楽しいのだろう。
誰も注目しなかった場所である。
俺には、もともと興味が無かったから、どうでも良かったが。
そして、友達がいなくなって、三日ほどたったある日のことだった。
友達の恋人が、相談にやってきた。
結局、一週間ほど前に、二人はつまらないけんかをしたらしい。
そして昨日、誤ろうと電話をしたときは、すでにつながらなかったらしい。
俺は、あきれた。
そんなことだけで、いじけてライヴ ストックに行った奴だ。
「そんな奴の事なんか気にするなよ。少し頭を冷やしたら、帰ってくるだろう」
「それが……誰も帰ってきた人はいないのよ」
彼女の言葉に、俺は、初めて気づいた。
「ねぇ、どんなところなの?」
俺は、首をかしげた。
その姿を見た彼女は、ため息をついた。
そして、「じゃあ、お願いを聞いてほしいの」と、言った。
「一緒に行ってほしいの」
少しだけ、興味を持ち始めた俺は、しぶしぶ頷いた。
全 無帰
