僕は、息を殺しながら、近づいていった。
「頼むから待ってくれ!」
友達の声を無視した。
このまま迷ったままでは、何も始まらない。
とにかく進まなければ……。
「お願いだ~~」
僕は、友達の制止を振り切り、その扉に手をかけた。
……約1時間後……
禁断のエリアである、友達の冷蔵庫を片付けた。
独身の冷蔵庫の中は、恐ろしいものでいっぱいである。
いつごろ買ったのか定かでない、変色した野菜などが出てきた。
僕たちは、とてつもない異臭と戦った。
そして、見事に掃除をし終わった。
「……やっと終わった……」
僕は、大きくため息をついた。
「いやいや、まだだよ」
僕は、友人を見ると、不吉な笑みを浮かべていた。
「次は君の番だね」
どうやら、今度は僕の番らしい。
新たなる、禁断のエリアに踏み込むようだ。
僕は、新たなる恐怖を感じ始めていた。
全 無帰
