劇団のものではなく、とある私立の小学校の生徒のうち、希望者が参加しての、いわば「素人」によるミュージカルです。でも、これがすごい。舞台から照明から、プロはだしで、入場料だって1人10ドル。予約しないと入れません(ま、客は半分以上が家族ですけど、たぶんw)。
こ こは、うちの奥さんが昔日本語を教えていた幼小中高一貫校で、学費もバトンルージュで一番。だからサポートがあるのは理解できますが、それにしてもここま でやるとは、見事です。ちゃんと数えなかったけど、70人はいました。上級生は半分くらいが参加してたと思います。裏方もずいぶんたくさんいたはず。
アメリカは多くの州で小学校は5年生までなので(これは州、場合によっては市によります)、主人公は5年生。オズだからドロシー、かかし、ブリキ男、ライオン、魔女、少なくとも5人はソロをちゃんと唄います。何百人の観客を目の前にしてだから、結構すごいです。
去 年は「アラジン」でした。その主役は何とこの知り合いの長男、日本人。日本から来て4年半。最初は全く英語が話せなかったのに、2時間近くあるミュージカ ルの主役でした。セリフは無茶苦茶に多いし、ソロの場面もあったのに、全然臆せずに堂々とやってました。これにはぶっ飛んだ。日本人の大人がアメリカ滞在 4年半で、素人劇団とは言え、英語ミュージカルの主役をやっちゃうなんて、ちょっと考えられません。子どもの可能性ってほんとにすごい。
今 年はこの弟くんが「空を飛ぶ猿」のリーダー役でした。稽古の途中までは唄う場面もあったのですが、時間が長過ぎるので、カットされちゃったらしいです。残 念。また来年ね。うまかったのは"Yao"的な南部訛りで「バカっぽさ」をうまく出してたかかし、悪い魔女、あとは何と言っても主役のドロシーでした。
さて、主人公のドロシーは、犬のToto(トト、トイレのTOTOではないですw)と一緒に竜巻で、オズっていう魔法使いの世界に飛ばされちゃうんですが(竜巻で助かって良かったねw)、悪い魔女をやっつけたり、インチキ魔法使いの正体を暴いたりします。
で、最後、「一つだけ願いをかなえることができる」って良い魔女に言われるのですが、「カンザスの家に帰りたい」って願って、赤い靴を3回コツンと打ち鳴らすと無事、家に帰れます。
あ、「家に帰って、家族と暮らしたいなあ」と思うと帰れちゃうんだ。と思ったら、帰りたくても帰れない東北地方の被災者の今と被って、違う意味でうるうるしちゃいました。東北地方の子どもたちにも、「魔法の赤い靴」があって、地震の前に戻れればいいのにねえ。
明るくなったら観客の中には泣いてる女の子もいたので、感動的であったのは確かなんですけど...。
きょうのえいご(12):Toto, we are not in Kansas any more.
アメリカ人なら恐らく誰でも知ってる、映画、「オズの魔法使」の一場面で、ドロシーが言ったセリフです。自分が住んでいるカンザスから竜巻でオズに飛ばされたのを理解する重要なところですね。ゆちゅで見直したら、"Toto, I have a feeling that we are not in Kansas any more."でした。
日 本だと、そう、「この紋所が目に入らぬか!」みたいな感じ?(見たことないけどw)。「このXXが目に入らぬか」って使われるように、"Toto, we are not in XXX any more."って使われます。水戸黄門は日本有数の長寿番組だし、「オズの魔法使」はアメリカでもっとも数多く見られた映画だと言われてます。
こういうキメ台詞って他にもありますよね。英語だとやはり有名なのは、"To be, or not to be, that is the question."(ハムレット)でしょうか。