ミシシッピ川の洪水について | あもくのガンバラヤ ルイジアナだより

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3月くらいから、ミシシッピ川の氾濫が続いている。例年以上にたくさん降った雪が溶けた水と、竜巻をもたらした嵐が原因だそうだ。
 
川沿いの土地は上流から順番に洪水となり、水浸しの土地 が続出している。6年前に健太が入っていた野球チームは全米に遠征に行ったものだが、監督がギャンブル好きだったので(笑)、泊まるのはカジノが多かった。という訳で何度も行ったミシシッピ州のカジノ も2mほど水が浸かった。

さらにその下流のルイジアナ州には、僕が住むバトンルージュ、さらにその下流、河口の近くにはこの付近で最大の都市、ニューオーリンズがある。ハリケーンカトリナで壊滅的な被害を被ってから6年経つが、ダメージからは完全に回復していない。
 
最大水量に達するとどちらの街も川が堤防が溢れ出す、はずだった。
 
のだが、今のところ、何とか持ちこたえるのではと言われている。というのは、州知事が、バトンルージュとニューオーリンズを助けるために、上流のモーガンザスピルウェイと呼ばれる堰を開ける決断をしたからである。38年間開かれることがなかった堰は5月14日に開門 された。写真でわかるように、草原だったところがいきなり川になったことになる。
 
これによって、2000もの建物が水没し、2500人が影響を受けるのは間違いないと言う。場合によってはこの下流にあるモーガンシティという街が水没し、11000の建物と22500人が影響を受ける。それまで暮らしていた熊や鹿、蛇や虫やら全てが飲み込まれるという、まさに苦渋の決断。
 
知事はバトンルージュの出身である。開門によって影響を受ける住民から抗議が出ても良さそうなものだが、今まで、そういった話は聞かない。開門しなくても、バトンルージュとニューオーリンズは助かった可能性もあるのに、である。
 
この辺、政治家の力と信頼という点で、日本とはずいぶん違うと思わざるを得ない。因みに、この知事 、インド人で、39才。将来の大統領候補の1人だそうだ。


きょうのえいご(10):Squeaky wheels get the grease.

英語の「ことわざ」からモノを考えるのが好きだ。それだけで、時として、秀逸な比較文化論になるから。Squakey wheels get the grease.そのまま訳せば、「キーキーと軋む車輪は油を注してもらえる」、意訳すると「文句を言えば見返りがある」だ。
 
日本じゃ逆じゃありません?

そりゃ、そういうこともあるかも知れませんけど、たいがいの日本人は文句言わないで、我慢強く待ってます。で、待っていれば悪いことにはならない。アメリカ、特に南部ではこれは通用しません。がんがん文句言わないと全部後回し。
 
これが嫌な人は、アメリカ嫌いになります。で、これに慣れちゃった人が日本に帰って同じことをすると煙たがられます。

日本では、「出る杭は打たれる」ですからね。