【1月8日 AFP】イランは8日未明、米軍と有志連合軍が駐留するイラク西部のアインアルアサド空軍基地にミサイル攻撃を実施した。イラン国営メディアが報じた。
 
 治安筋はAFPに対し、外国部隊が駐留するイラク最大の軍事基地アインアルアサド空軍基地に、ロケット弾9発が着弾したと語った。攻撃は8日午前0時すぎ、3回にわたって行われた。
 
 イランがこの攻撃を実施したと認め、同国の国営テレビは、アインアルアサド空軍基地にミサイルを発射したと報じた。
 
 イラク各地の米軍施設はこの数か月、ロケット弾攻撃を15回前後受けているが、攻撃を実行したと認める声明は出ていなかった。イランが米軍基地への攻撃を認めるのは今回が初めて。
 
 米国防総省は、イランが弾道ミサイル「12発超」を、米軍と有志連合軍が駐留するイラクの2基地に撃ち込んだと発表した。同省のジョナサン・ホフマン報道官によると、うち3発はイランから発射されたという。現時点では、2基地で死傷者が出たとの報告はない。
 
 ホワイトハウスによると、ドナルド・トランプ米大統領は、この攻撃を把握し、事態を注視しているという。
 
 首都バグダッドの国際空港では先週、米国の無人機攻撃によりイスラム教シーア派武装勢力の連合体「人民動員隊(Hashed al-Shaabi)」のアブ・マフディ・ムハンディス副司令官と、イラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊「コッズ部隊」のガセム・ソレイマニ司令官が死亡。これに対しイラクの親イラン派は、結束して「報復」すると誓っていた。
 
 この攻撃による米国とイランの緊張のエスカレートを嫌気して、東京株式市場の取引開始後約30分で、日経平均株価は576円26銭安の2万2999円46銭となり、東証株価指数(TOPIX)は37.90ポイント安の1,687.15ポイントとなった。原油価格も一時4.5%超上昇した。
 
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私はとんだ見込み違いをしていた。
イラン側が米軍へ軍事基地へ攻撃を行うという想定は全くしていなかった。
 
米軍のソレイマニ司令官殺害への報復をイラン国民が望んでいたとはいえ、この選択がベストだったとは思えない。
ポピュリズムとは違うが国内世論の圧力にイラン政府は弱腰をみせられなかったとすれば、大統領選対策で「戦争をしない大統領」と弱腰にみられることを払しょくするため、米軍の司令官殺害作戦を了承したトランプと似たような構図になってしまった。
 
しかし、現状で米国民はイランとの戦争を望んでいるとは思えない。
中東地域を除く国際世論も同様だ。
 
イランは十数発のミサイル攻撃というボールを返して来たのに対し、米国は本当にイランの52か所を報復攻撃して火の海にするのだろうか?
この先どうなるのか想定されるシナリオを一から考え直しているが選択肢が多過ぎる。
米国同盟国のイスラエルとサウジアラビアへの攻撃など事態は複雑で混迷を極める可能性が高まるだろうが、それは米国とイランが空爆合戦になってからではないかと思う。