【ロンドン時事】英情報機関・対外情報部(MI6)の改装工事中の本部ビルから、重要文書が「消えた」ことが明らかになった。
 
 英メディアが27日報じた。人気映画「007」シリーズで主人公ジェームズ・ボンドが所属していることで知られるMI6は、スパイ映画さながらの緊急事態に直面している。
 
 報道によると、文書は本部ビルの間取り図や警報装置の位置などを示したもの。安全な部屋で保管され、限られた人数しかアクセスできないはずだったが、数週間前に100枚以上の文書を紛失した。その後多くが本部ビル内部で回収されたが、一部はいまだに行方不明だという。
 
 大衆紙サンは「情報機関幹部は、文書が敵の手には落ちていないと自信を持っているようだ」と指摘する一方、「こんな大事な文書をなくすなんて甚だしく無責任だ」との関係者の声を伝えた。
 
 文書は「トップシークレット(極秘)」などの機密指定を受けていなかった。MI6はこれを受け、改装工事を請け負っていた英建設大手バルフォア・ビーティーとの契約を解除したという。
 
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MI6の本部ビルは映画「007」シリーズでは毎回登場します。
テムズ川南岸ボクソールにあり、2012年の映画「007 スカイフォール」では派手に爆破されるシーンがありました。
 
今回の事件ですが安全な部屋に誰がどうやって入って持ち出したのか?
改装工事の請負会社の社員に紛れて侵入したか? MI6に職員として潜入した他国のスパイか?
本部ビル内部でペーパーが回収されたからといって、撮影されて流出しているでしょう。
間取り図で極秘文書の保管場所がバレてしまいますから、新たな場所に移動させるべきでしょう。
 
MI6は「007」ことジェームズ・ボンドのように荒っぽい手法で活動する組織ではありません。
エージェントは世界中に散らばり現地に溶け込んで、インターネットに載らない地元新聞やTVニュースなどの詳細な国政情報と、重要な内容を記した出版物を収集し、翻訳して本部へ送るのが業務の70%を占めると言われています。後は情報元のコネ作りなど。
地味な組織ですが、CIAが関知していない情報を持っています。天敵は暗殺など荒っぽい事が得意なロシアです。