*昨日は五輪中継番組のため「anone」はお休みでした。

 

「新曲ランキング」って必要? オリコン改革が突きつけた「現実」 音楽チャートの次に来るものは…

 

 CDランキングで知られるオリコンが、ダウンロードやストリーミング再生回数などを合算した複合ランキングの新設を検討していることがわかりました。

音楽と社会の関係に詳しい武蔵大学の南田勝也教授(社会学)に話を聞きました。(朝日新聞記者・河村能宏)

 

「順位」よりも「自分に合うかどうか」の時代へ

 

「確かに、近年は、YouTubeやサブスクリプションサービス(定額制音楽配信サービス)が普及し、CD以外の音楽の楽しみ方が出てきました」

「それとともに、音楽の聴き手は、ランキングを気にするより、それぞれの音楽サービスの検索欄に、自分の聴きたいor見たいアーティスト名や曲名を入力して作品を探す。さらにそうしたリスナー同士の聴取履歴が積み重なり、巨大データベースが構築され、個々人に合った曲をお薦めできる時代にもなった」

「自分の嗜好にあう音楽に直接アクセスできる時代の到来。相対的にチャートそのものの影響力が弱まっているのではないか」

――チャート自体、早晩、機能不全に陥る?

「ただし、影響力は弱まったと言いましたが、今の時代でも、若い人は気にしているんだと思う」

「2016年に音楽が好きな人を対象に調査をしたのですが、『チャートの順位を頼りに音楽を聴くことがある』という問いに肯定回答した10代は5割を超えていたのです」

 

「私のゼミに進むような学生の場合、Jポップと距離を置いて、『私、変わったものを聴いています』という子は結構いますけど、その『変わったものを聴いている』とか『自分はマイナーな音楽が好き』と判断できるというのは、メジャーなものの存在を知っているからですよね。その判断の指標として、チャートというのは依然、大きな影響を持っている」

 

「年齢が上に行くと、聴く音楽が固まってくるからヒットチャートは気にしなくなる。正直、歳を取ると、どうでもよくなるんですよね。だから、その年代からすれば、『チャートの役割は終わった』と切り捨てようとするけれど、今の時代でも、若い人は気にしているんだと思う」

「人々の道標となるような機能をチャートだけに望むことが難しい時代、やはりそこは目の肥えた人が質の高い音楽を発掘するような作業が、音楽があふれかえる世の中にあって必要なのではないでしょうか」
 
出典:朝日新聞
 
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今の音楽マーケットの捉え方が古過ぎる記事ですが、食指が動いたので取り上げます。

 

私は今でも手に取れるパッケージになったCDを買っていますが、CDを買わない人の方が圧倒的に多いです。少なくとも私の周囲にはいません。

 

記事にあるようにCDの購入層はジャニ・ヲタと女子グループアイドル・ヲタクの10~20代がほとんどで、金銭的な余裕がある独身で30代から50代までのCDで育った世代のうちでも、今でも最新チャートの曲を知っている・聞いている人は3~5%くらいしかいないんじゃないかと思います。

 

ダウンロードは知名度のあるアーティストの曲や、YouTubeなど無料動画で見て、気に入っいて、かつランキング上位で曲しか買わないと思います。

 

有料で良いなら、ダウンロードよりも月額500~980円の定額音楽配信で聞く方が割安です。

新曲と絶対に生きてるうちに全部聞けない名曲とゴミ曲の数々が揃ってますから。

 

私はダウンロードはしないので、今まで買った事が無いアーティスト(バンド)のCDを買う基準はYouTubeなどで良い曲だなって思ったのが3曲以上あるのが前提です。

つまり既に売れた曲が収録されたアルバムで初回盤にボ-ナス・ディスクがついていたり、ボーナス・トラックが入っていて、割安感がないとリリース前に予約までして買いません。

 

好んで聴いているロックバンドでも、今の売れているロックと私が思い描いてきたロックは違います。

コールドプレイ、イマジン・ドラゴンズ、パニック・アット・ザ・ディスコ、トゥエンティ・ワン・パイロッツは好きですが、歴代ベストアルバムを10枚選べと言われたら、そこには入りません。

マルーン5なんてもうポップ・ソングになってます。

 

中学・高校では親友以外は誰も知らない海外のハードロック、メタル、オルタナ、グランジ、エモ、ラウド・ロックのバンドがカッコいいみたいな感じでいましたが、大学からはいろんなジャンルを掘り下げて、グルっと1周して回って来てみたら、J-POPやアイドルの楽しみ方が分かるようになりました。

過去の名作CDは一通り持っているので、そちらを改めて掘り下げるつもりはありません。

 

私はこの記事とは、まったく逆でロックしか聴いてない頃はヒットチャートなんてどうでも良かったですが、歳くってからヒットチャートを気にするようになりました。

 

今は無料動画や定額音楽配信で聴けるようになったので、大きくハズレるという事はなくなりました。

以前はなんとなく買ってしまったけど、ヒットシングル以外はゴミ曲だった事は少なくありません。

無駄買いしないから、セールス枚数が以前より減っている面もあると思います。

 

世界最大マーケットの米国ではビルボードのアルバムチャートのうち、CDセールスが100万枚を越えるのは年に10枚もありません。

米国も日本と同じようにCDを買うのは、30代後半から50代の音楽をCDで聴いてきた世代だと思います。売れるのは本格派の歌姫とベテランのカントリー歌手やカントリーロックです。

最近リリースされたアルバムで間違いなくロックと言えるのはメタリカだけでした。

 

後は子供が健康的なアイドル系のポップ・シンガーのCDを欲しいというなら、ウエルマートで9ドル99セント(約1060円)ですし、親にとっては子供がアイドルに夢中になっている方が安心なので、買い与えているのが音楽市場を支えていると思います。

ポップ・シンガーのライブ映像では白人の中間所得層世帯っぽいティーン・エイジャーの女子がほとんどです。

 

日本でヒット・チャートに正確を記すのはなかなか難しいと思います。

ただ、この記事にあるように48系と46系でアイドルヲタクからの搾取で儲けてる秋元商法の影響力をチャートから少なくするためには、CDセールス以外のポイントを増やすしか手がないんでしょう。

特に48系のダウンロード数はほぼないでしょうし、テレビ出演はすると思いますが、メンバーがやってるラジオ番組以外では曲はかからず、YouTube視聴数が少ないので、今よりは是正することは出来るんじゃないかと思います。

 

米国ではセールスだけでなく、エアププレイ、ストリーミングを含めた総合ポイントでランキングしていますが、オリコンのCD販売数だけでダウンロードすら対応していなかったのは遅過ぎです。

 

それよりも、今はチャートの正確性の前に、日常的に音楽を聴く習慣がない若い子が増えているので、今後もマーケットはドンドン縮小していくでしょうから、これ以上減らさないための対策をやらないとヤバいですね。

 

いずれはヒットチャートの意味は薄れ、ミュージック・ビデオはちまちまとしたセールスよりも儲かるライブ・ツアーの宣伝のためだけに作られると思います。

キャリアを積んでいる途中で所属事務所が新曲の制作経費を払えない場合以外はレコード会社と専属契約をする意味は無くなります。

 

いずれは所属事務所が中心で制作され、レコード会社は販売委託を、広告代理店が宣伝を担い、チケット販売も販売委託すると高額な手数料でチケットが高くなってしまうチケット・マスターなどを通さずに、インディペンデントで直販する時代が来ると思います。