嵐さんに愛を叫べ -169ページ目

嵐さんに愛を叫べ

相葉くんと櫻葉さんが大好き!です

モデルズも大宮さんも、その他CPも登場します。

腐ってますので、ご理解のあるオトナのお嬢さまのみ、自己責任でご覧ください。
男性と思われる方、商業目的と思われる方の読者申請、コメントは削除させていただきます。




「まーくん、ご機嫌だね」


迎えに来たかずくんが、運転席から俺を振り返ってニヤリと笑う。


「くふふふふ、うん。ご機嫌です」


「翔さんと、いいことでもあった?」


俺がシートベルトをつけたのを確認してから かずくんがギアを動かす。その左手の薬指に光る指輪を見て、また顔がにやけた。


だって、しょーちゃんが指輪を買いに行こうって言ってくれるなんて思ってもいなかったから。


冷静で大人なしょーちゃんは、俺とのこともきっちりぱっきり……隠すじゃないけど、なんかこう完璧に線引きしてるのかと思ってた。



……けど、それは俺の勘違いで……



『本当は、雅紀は俺のもんだってみんなに言いたい』


汗ばんだ腕の中で聞いた言葉を思い出しては、嬉しくて、恥ずかしくて、幸せすぎて、なんだか泣きそうな気分になる。




「かずくんと大野さんは、結婚式しないの?」


「はぁ?!するわけないでしょ!」


赤信号で止まったタイミングでそう声をかけたら、かずくんが耳を赤くして振り返った。


「でもさ、プロポーズはしてもらったんだよね?指輪、してるんだからさ」


「何を言い出すのかと思ったら……あれでしょ?大野さんの友達が大野さんのとこで結婚式するっていうんで、翔さんも駆り出されてるからでしょ?

結婚式のパンフレットでも見て、いいなーとか思ってんでしょ?

まーくん、単純だからなぁ」


「単純ってなんだよ!」


かずくんはわざとらしくため息をついて、笑ってからウィンカーを出して左にハンドルを切る。



「あぁ、そう言えば、大野さんの友達が翔さんにそっくりな子がいるって言ってたって」


「え?」


「その人、図書館で働いてるらしいんだけど、バイトの大学生が翔さんに似てるんだってよ」


「えー!どこの図書館だろ?行ってみたい!若いしょーちゃん、見てみたい!」


「あはは。言うと思った!

けど、似てるってだけで、翔さんじゃないよ?」


「でも、見てみたーい!」



世の中には、自分に似てる人が3人いるってなにかで読んだことがあるけど。

しょーちゃんのそっくりさんに会ってみたいのは、俺の知らない時のしょーちゃんを見てみたいから。


その人がしょーちゃんなわけじゃないのに、そんなことを思うなんて……自分の独占欲の強さに自分で驚いて、かずくんを見ていられなくて窓の外に視線を移した。



流れていく景色の中に見えるたくさんの人。

そのひとりひとりに物語があって、だけど、俺にはそれを知る術は無い。


しょーちゃんにも、かずくんにも……俺が知らないことは沢山あるはずで。

そんなの、今まで気にしたことなんてなかったのに、しょーちゃんにだけは違うんだ。


しょーちゃんのことだけは、全部知りたい。


そんなふうに思うなんて、それだけしょーちゃんに惚れてるってことなんだろうけど。



窓ガラスに寄りかかって、いつの間にか重たい雲で覆われている空を見上げた。



「あのさ……貴方からしてもいいんじゃないの?」


……え?俺から?なにを???」


かずくんに何を言われたのか分からなくて、運転席の方へ身を乗り出す。



「なにって……プロポーズでしょ。今の話の流れなんだから」


「えっ……


俺から、しょーちゃんに?

そんなこと、考えたこともなかった。



「そっか……俺からしてもいいのか……



灰色の空からぽたりとフロントガラスに雫が落ちて、あー、降ってきちゃったなぁって呟いた かずくんがワイパーを動かした。


また窓の外に視線を移せば、色とりどりの傘が街を彩っていて、その明るさに俺の心もふわって軽くなる。




……え?」


「なに?」


「あ、ごめん……なんでもない!」


慌てて顔の前でぱたぱたと手を振る俺を見て、かずくんが肩を竦めてからハンドルを握り直した。



「気のせい、かな……


かずくんに聞こえないように小さな声で呟いて、シートに凭れる。



さっき、窓の外に見えた 大きな紙袋を持って、慌てた様子で雨の中を走るふたりの男の人。


そのふたりが、しょーちゃんと俺に見えた。

若くてちょっとチャラめなしょーちゃんと、ちょっとおとなしそうな俺。


さっき、しょーちゃんに似てる大学生がいるなんて話を聞いたから、そんなふうに見えたのかもしれない。

全然違う人なのに、しょーちゃんに似た人の隣には俺に似た人がいるだなんて、そんなの……



「どんだけだよ、俺」



雨に濡れてるっていうのに、なんだか楽しそうに走っていったふたりの姿を思い出す。


きっと、どこの世界にしょーちゃんと俺がいても、きっとやっぱり一緒にいて、絶対に幸せなんだろうな、なんてそんなふうに思えちゃう。



「くふふ」


「何ひとりで笑ってんの」


「ないしょー!」


どうしてもにやけちゃう顔を隠したくて、『着いたら起こして』ってかずくんに言ってから、キャップを顔の上にのせて目を閉じた。





and the story goes on...♡