「返却は2週間後になります。時間外や休館日でしたら、外の返却ボックスへお願いします」
「あら、相葉さんも花粉症?」
「そうなんですよー。この時期辛いですよね」
よく本を借りに来る伊藤さんが、毎年本当に嫌になっちゃうわよねーって笑いながら本をバッグにしまって、じゃあまたって、手を振って出ていった。
もう、3月。
『学校の近くにさ、穴場があんの。だから、一緒に花見しよ?相葉さん辛かったら、一瞬だけでもいいからさ』
櫻井くんとの約束は、毎日少しずつ少しずつ増えていく。
お花見なんて、したことあったかな.......
行くならやっぱり、お弁当とか作った方がいいのかな.......
図書館の入口の向こう、ガラスのドア越しに見える桜の木は、まだまだ寒々しい姿のままだ。
返却された本を手に持って立ち上がろうとした時、ふわりと風が舞い込んだ。
寒いはずなのに暖かくて、春のにおいがした気がして、振り返る。
「.......さくらい、くん.......」
「来ちゃった」
いつもよりきちっとセットされた髪の毛に、しっかりと締められたネクタイ。
胸には黄色の花が飾られていて、黒い筒をひらひらと振って笑う。
「おっ!今日、卒業式か!」
後ろから長野さんの嬉しそうな声が聞こえて、カウンターの中にいたスタッフも事務所にいたスタッフも、みんなが櫻井くんにおめでとうって声をかけて、櫻井くんが恥ずかしそうにそれに応えて.......
「相葉さんは、言ってくれねぇの?」
口を尖らせて、カウンターの方へ来るから、どうしたって緩みそうになる口元を誤魔化すようにぎゅっと唇に力を入れた。
「相葉くん、昼行ってきなよ」
「.......え、でも.......」
「俺と交代~」
笑顔の長野さんに、ぽんぽん背中を叩かれて、それじゃあ、お先に失礼しますってロッカーに向かえば、当たり前みたいに櫻井くんが後ろをついてくる。
「なんか、言ってよ」
「卒業、おめでとう」
「ありがと」
財布をポケットに突っ込んで、コートを羽織る。
「今日の夜、行ってもいい?ちょっと遅くなっちゃうけど」
「友達と遊ぶんじゃないの?」
「うん。だから、それ終わったあと。相葉さん家、泊まっていい?」
信号待ちで隣に並んだ櫻井くんの指が、僕の指にするりと絡まる。
それだけで、僕の心はほわほわ温かくなるんだ。
「っくしゅん!」
「やっぱ、外は危険だなぁー」
櫻井くんがキョロキョロと周りを見渡してから、僕の顔を覗き込んで.......
マスク越しに唇が重なる。
「ちょっ.......」
「誰もいないって」
「そういう問題じゃないでしょ!」
青に変わった信号に走り出した櫻井くんを追いかける。
「卒業祝いってことで!」
「もぅ!」
コンビニの前で立ち止まった櫻井くんを、睨むように見上げれば、困ったような顔で僕を見つめて笑う。
「俺、早く大人になりたい」
「え?」
「相葉さんのこと、ちゃんと守れる大人になりたい」
「櫻井くん.......」
もうじゅうぶん、守られていると思う、けど.......
「うん。楽しみにしてるね」
「あ!今、笑ったろ!」
「くふふ。お祝いにアイス買ってあげる」
「なんだよ!子供扱いすんなよ!」
そう言いながらも、アイスのケースを覗き込んで真剣にアイスを選ぶ横顔が可愛らしくて、かっこよくて。
どきんと胸が跳ねたのと同時に、くしゃみがまたひとつ飛び出した。
♡おしまい♡
♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*
(」゚Д゚)」MSのU氏~!!!!
はーぴーばー♡♡♡♡♡
なんとか書けた.......( ;∀;)
MSUちゃんと言えば.......
レミダン(♡´艸`)
サマスプ(♡´艸`)
そして、花火♡
妄想でもリアルでも
たくさんたくさん、お世話になっております。
これからも、しくよろおなしゃすでございます(♡´艸`)
20200309
ぴっぴ