Under the radar #16 | 嵐さんに愛を叫べ

嵐さんに愛を叫べ

相葉くんと櫻葉さんが大好き!です

モデルズも大宮さんも、その他CPも登場します。

腐ってますので、ご理解のあるオトナのお嬢さまのみ、自己責任でご覧ください。
男性と思われる方、商業目的と思われる方の読者申請、コメントは削除させていただきます。




「あれ、気のせいだったかなぁ?スマホ鳴ってた気がしたけど。

俺、ちょー耳いいみたいで、電車の中とかでも誰かのバイブが鳴ってるの、気がつくんだけどなぁ」


くるんと瞳を動かして笑うその顔には、もう影のように暗い部分は見当たらない。

くるくると変わる表情に、思考回路がついていけなくて戸惑う。

もしも、相葉くんが『tempest』や『神』だったとしても、俺にはなんの関係もないはずなのに。



「へぇ……そんなに耳がいいと疲れそうだね」


「うーん、いつも聞こえてるわけじゃないっていうか、気になる音ってあるじゃん?」


ぴょんと飛んで立ち上がった相葉くんが、空になったペットボトルを小さく振って、捨ててくるね!と言って自販機の方へ走り出した。



その背中を見送って、内ポケットからスマホを取り出す。



『もうひと息』


現れたメッセージにため息をつく。

別に俺は、『tempest』や『神』の正体を知りたいわけじゃない。

何故俺に固執するのかっていうのは確かに気になるけれど、きっとそれだって明確な理由がある訳では無いだろう。


ふと目の前に人が立つ気配がして、暗くなった画面に細い指が触れた。

また明るくなった画面に『もうひと息』の文字が浮かぶ。



「『もうひと息』だって。答え合わせ、しようか?」


……え?」


「櫻井さん、ぐるぐるいろんなこと考えて、なかなか正解にたどり着かなそうだからさ」


思わず見上げた相葉くんの瞳は、また何も映していないような暗い色をしていて、暑いくらいの日射しの中にいるのに、ぶるりと身体が震えた。



「答え合わせなんて……tempest』が相葉くんだろうと、『神』が相葉くんだろうと、俺には関係ない」


「関係ないの?」


「なんで俺に執着するのか、とか、なんでそんなことするのかっていうのには興味あるけど」


「それだけ?」


つまらなそうに口を尖らせた相葉くんが、くるりと身体の向きを変えて、すとんと俺の隣に腰を下ろした。



「なぁ、なんでそんなことすんの?」


……そんなの、楽しいからに決まってんじゃん。それ以外に理由なんてある?

全部、思いどおりだもん。笑っちゃうくらい簡単に動くんだよ」


相葉くんが手を伸ばして、俺のスマホを持ち上げた。


「これさえあれば、なんだって出来る。他の誰かになることも、誰かを消すことも、ね」


……消すって……無理だろ、そんなの。『何でも』は出来ねぇだろ」


 俺のスマホを持ったまま、相葉くんがくふふと笑う。



「出来るよ」


「だから、出来ねぇって」


「じゃあ、櫻井さんは、これ要らないの?」


スマホがなくなって、空になった手を膝の上で組んだ俺に、相葉くんが楽しそうに聞く。



「仕事上連絡がつかなくて困ることはあるかもだけど、別になくても困らないよ。それには大事なデータはなんにも入れてないって、相葉くんも知ってるだろ?」


「そうなんだよね……ほんと、つまんない」


ぽいっと俺の手にスマホを投げて返して、ベンチの上に足をあげて両腕で抱え込んで座り直した。



「ねぇ、どうしたら手に入るの?」


「何が?」


「櫻井さんのデータ」


相葉くんの言葉に、盛大にため息をついてから、スマホを内ポケットにしまう。



「そう簡単に渡すかよっていうか、データ集めたってお前は俺にはなれねぇだろ。画面の上だけでは俺になれるかもしれないし、全てのデータを使って、俺を生活出来なくさせることも可能だろうけど、でもそうされたからって、俺は消えないし、俺は俺のままだ。所詮、バーチャルはバーチャルなんだよ」


「櫻井さんって、ほんと、腹立つね」


顎を腕に乗せたまま、相葉くんが俺を見てニヤリと笑う。


「そりゃどうも」


にやりと笑い返せば、相葉くんがふと真面目な顔に戻って、足をベンチから下ろした。




「……櫻井さん」


「ん?」





カフェオレの甘い匂いのする唇が俺の唇に一瞬だけ触れて、ゆっくりと離れていった。