花火 172 | 嵐さんに愛を叫べ

嵐さんに愛を叫べ

相葉くんと櫻葉さんが大好き!です

モデルズも大宮さんも、その他CPも登場します。

腐ってますので、ご理解のあるオトナのお嬢さまのみ、自己責任でご覧ください。
男性と思われる方、商業目的と思われる方の読者申請、コメントは削除させていただきます。




……ごめん」


「え?」


「何も、できなくて……なんにもしてやれなくて……ほんとに、ごめん……


「ちょっと、櫻井くん……どうしたの?」


櫻井くんの声が、身体が、震えている。



「『好きだ』って、それしか言えなくて、ごめん。

ごめん、ほんとに、ごめん」


泣きながら何度も『ごめん』を繰り返す。


何が『ごめん』なんだろう。

謝らなくちゃならないのは、きっと僕の方。

ふつふつと泡を出し始めたミルクの中に茶葉を落として、蓋を閉めた。


震える手をそっと撫でる。



「泣かないで」


どうしたら、いいんだろう。

こんな櫻井くんは初めてだ。



「ミルクティー、できたから飲もうか」


……うん」


マグカップにゆっくりとミルクティーを注いで、目を真っ赤にしてる櫻井くんの手に渡す。

うさぎみたいだな、なんて思ったけど、何も言えずに黙ったままソファに腰掛けた。


隣から、すんって鼻をすする音が聞こえる。



年下のくせに、妙に大人っぽくて。

かと思えば、ストレートに感情をぶつけてきて。

見かけは怖いのに、子供が大好きで、優しくて。

櫻井くんは、不思議な人。


櫻井くんといると、僕はびっくりするくらい笑うことが出来るんだ。

だから、何もできないなんて、そんなことはないのに……



「俺、ホントにガキで、どうしようもなくて……


大きな目から溢れてくる涙に、思わず手を伸ばした。


「ごめんね。僕のせいだよね」


「ちが……俺、自分が情けないんだよ。

何したらいいのか、分かんねぇんだ。

相葉さんに笑ってほしいのに、どうしたらいいか分かんねぇんだ。

相葉さんのこと、なんも知らないで、ただ信じろとか好きだとか言うしかできなくて……

って、あああー!!!カッコ悪い!!!



叫びながら両手で顔を覆った櫻井くんの、左腕に見えた赤いアトに心臓が凍りつく。



見覚えのある、赤いアザ。

振り払おうと思っても、離れなかった手。

痛いって泣いても、離されることのなかった、手。


『お母さん、痛いよ』

『お母さん、離してよ』

『お母さん、ごめんなさい。ねぇ、お母さん』


ギリギリと指が食い込む感触を思い出して、身震いした。



それが、なんで櫻井くんの腕に……


手が震える。


……僕は、何を……

 


櫻井くんの左腕を掴んで、セーターの袖を捲った。

縦に並ぶ、4つの丸いアト。

それはきっと……僕の右手がつけたアト。



「なんでもないって……


僕の手を振り払って、櫻井くんはセーターの袖を下ろした。



……僕、何した?」


あの女を見てから、さっき目が覚めた時までの間に、何があった?



「なんもしてねぇよ」

「嘘」


僕から視線を逸らした櫻井くんに、反射的に言葉がこぼれた。



何もしてないなら、なんで……


櫻井くんの腕についた赤いアト

唇に残る感触



「さくらい、くん……


なんとか呼んだ名前に、櫻井くんの真っ赤な目がゆっくりと僕の方を向いた。