「あっつ……」
何処に飯行こうとか
コンサートで見たキラッキラの相葉くんとか
デスクの下に潜ってきた相葉くんとか
いろいろ、いろいろ思い出して、何浮かれてんだ、落ち着け!って自分に言い聞かせるようにしてでっかい風呂に浸かっていたら、だいぶ長い時間そうしていたようで、汗が吹き出してきた。
ここでのぼせて、飯行けなくなるとか、ありえねぇ。
シャワーで汗を流して、更衣室に戻る。
やっぱりちょっと にやけている自分の顔が映る鏡から、視線を外してロッカーに急いだ。
なんでこんな、浮き足立ってんだろ……
デート前の高校生じゃあるまいし。
ロッカーの扉を開けて、止まる。
……今、デートって……
けど、あながち間違ってもいないか?
またニヤけそうになる口元を手のひらでごしごし拭いて誤魔化した。
ドラマか、映画か。
それとも、少女漫画かよって突っ込みたくなる出会いから始まって、相葉くんとのいろいろは、衝撃でしかなくて。
けど、それは俺にとって、いい刺激でもあって。
相葉くんのお陰で、忘れてたいろんな気持ちを思い出した。
「ああっっ!」
思わず出した大声に、近くのロッカーにいた人がビクってなった。
その人にすみませんって頭を下げてから、慌てて着替えを済ませて荷物を取り出して、急いで駐車場に向かう。
すっかり忘れてた。
いや、もう会うことはないと思っていたから、だよな?!
先月、誕生日だったはず。
俺の誕生日が来るまでは、タメだって言ってたはず。
乱暴にドアを開けて車に乗り込んで、エンジンをスタートさせた。
何にする?
洋服……は、相葉くんの方がセンスがいいし、メシを奢るだけってのも、なんだし……
コンサートでも、なんか色々もらったし……
「うわー、どうしよ」
駐車場を出て、ひとつ目の信号でハンドルに突っ伏した。