「ねぇ、しょーちゃん……それ、全部持ってくの?」
「当たり前だろ」
ほら、早くシートベルトしろよって、しょーちゃんが笑う。
無事に大学も内部推薦での合格をもらって、お祝いにって、じぃちゃんが有名なテーマパークの俺の誕生日のチケットをふたり分買ってくれた。
「お泊まりグッズと、雅紀ん家への土産だろ?それから……」
「しょーちゃん、ベルトした!」
長くなりそうなしょーちゃんの言葉を遮るように叫んだら、しょーちゃんが俺を見て笑う。
「じゃあ、行きますか」
そこのテーマパークいくなら、実家からのが近いから、しょーちゃんもウチに泊まったらいいって母さんが言ってくれて……
「しっかし、緊張するなぁ」
しょーちゃんがハンドルを握りながら、ぽつりと呟く。
「雅紀はお前にはやらん!とか言われたらどうしよう」
「……しょーちゃん、どんなドラマ見てんの」
しょーちゃんとのことは、じぃちゃんから母さんにも父さんにも筒抜け状態で。
母さんも父さんも、しょーちゃんに会えるのが楽しみだって言ってくれてて。
なのに、そんな心配をしてるしょーちゃんが、可愛くて笑えちゃう。
「いや、結構マジで緊張してんだよ」
「くふふ、うん。俺もね、ちょっと緊張してる」
「え、マジで?」
「うん。だって、しょーちゃんの運転、心配だもん」
「なんだと!コラ!」
そう言って、しょーちゃんが眉毛をへにゃって下げて笑う。
ホントは全然心配なんかじゃないんだ。
運転してるしょーちゃんの横顔が、物凄くかっこよくて、ドキドキして困っちゃうんだよ。
しょーちゃんには、絶対言わないけど。
心配していた渋滞もそんなに酷くなくて、しょーちゃんと熱唱したり、しりとりしたり、クイズしながらたくさん笑って、あっという間に実家の駐車場にしょーちゃんが車を停めた。
「雅紀、おかえり!翔くん、いらっしゃい!」
「はじめまして、櫻井翔です。今日は、お世話になります」
玄関を開けてくれた母さんに、深々とお辞儀をするしょーちゃんに、母さんがあらまぁって、嬉しそうに笑う。
「いつも雅紀と父がお世話になってます」
「え?!あ、いえ!僕の方こそ、すごくお世話になってます!」
母さんがどうぞどうぞってしょーちゃんを招き入れて、しょーちゃんの後に玄関に入った俺の横にそそそって近づいてきた。
「超いけめーん♡」
「ちょっと!」
しょーちゃんに聞こえちゃうじゃんって言ったら、んふふふふーって変な笑いを残して、お茶にしましょうねぇーって、いつもより高い声で言った母さんがキッチンに消えていった。