ぐい、と俺の肩を押した相葉さんを腕の中から離してやって、俺を睨むみたいに見てる相葉さんの頭にずぽってセーターを通した。
「興味、ない?」
「ねぇよ。気持ちのないセ ックスなんかに」
「バカみたい」
「バカはどっちだ」
そう言った俺をぎろりと睨んでから、相葉さんはセーターに袖を通して、冷蔵庫から乱暴に缶ビールを取り出してベッドに座ってプルタブを開けた。
話は聞いてくれそうだなって、ホッとして俺も冷蔵庫を開いた。
「高っ……」
書いてある値段に驚きながらもコーラを取り出して、椅子を引っ張ってきて相葉さんの前に座った。
「あの、さ……」
俺の声にちらりと俺を見上げて、すぐに缶ビールに視線を落とす。
「なんでそんななの?」
「そんなって?」
「なんでもっと自分を大切にしないの?」
「言ってる意味が分かんないんだけど」
「もっと自分を大切にしてやんなよ」
「……なんだよ。偉そうに」
「心配してんだろ、相葉さんのこと」
「心配してくれ、なんて頼んだ覚えはないけど?」
俺より年上のくせに、大人のくせに。
そんな事もわかんねぇの?
「……相葉さんのこと、好きだから心配してんだろ?」
こんなふうに告白するつもりなんて無かったけど。
「好きって、なに?そんなの、口ではいくらでも言えるじゃん。俺のことなんにも知らないくせに、好きとか言わないでよ」
鼻で笑って一気に缶ビールを空にした相葉さんが、ぐしゃってアルミの缶を潰した。
「知らねぇよ。知らねぇけど、好きなんだよ。
なんで好きかなんてそんなの、聞かれたって俺にだってわかんねぇよ」
「バカじゃないの?」
「あぁ、バカだよ。自分でもバカだと思うよ。
自分のこと大切にできなくて、周り巻き込んで自分のこと傷つけまくって、周りも傷つけて、伸ばされた手にも気が付かねぇ、そんな大バカ野郎が好きだなんてほんとにバカだって思うよ」
「……なっ……」
「そんなんだから、ダメなんだろ。
自分のこと大切に出来ない奴が人のこと大切に出来るわけねぇもんな?まともな恋愛、できなくて当たり前だよな?
だから、気持ちいいんだからいいじゃんとか、訳わかんねぇ理由つけてコイビトごっこしたいんだろ?」
「黙れよ!!!」
カンって音を立てて、ビールの空き缶が俺の額に当たった。
「いってぇな!!
バカにバカって言って何が悪いんだよ!」
コーラをテーブルに置いて、相葉さんに飛びかかった。