「なんか、すげーたくさんだけど、いいのかな……」
「いいんじゃねぇ?半分は二宮さんからって言ってたし」
「そっか、そうだよな!けど、それにしてもやっぱり、派手じゃない?」
「似合ってるよ、すごく」
生田さんセレクトの智くんのコーディネートは、大きめな柄の入ったシャツに、ライダースジャケットに細身のパンツ。
いつも ほにゃんとしてる智くんのイメージとは違って、シュッとしててかっこいい。
さっきから、通り過ぎる女の子たちが智くんを見て振り返ってる。
「なんか、落ち着かないんだよねぇ」
「智くんじゃないみたいだもんね。でも、すごく良く似合ってるし、かっこいいよ」
「そうかなぁ……うん、でも翔くんが言うんだからそうだよね!じゃ、そろそろ行くね」
「ん。バイト頑張って。二宮さんによろしく伝えて」
「分かったー!」
制服の入ったJ'sの紙袋をガサガサ揺らしながら遠ざかる智くんを見送って、服で変わるってホントだなって思いながら自分がぶら下げている紙袋を見た。
紙袋の中には、自分じゃ絶対に選ばない小花柄のシャツと、着心地の良さそうなVネックのセーターは、何故かサーモンピンク。
挙句の果てには『お前のイメージカラーは赤だな』とか言い出して、赤いコートまで渡された。
着て帰れって松本さんに言われたけど、今日はバイトもないし、制服でいいって言い張って店を出てきた。
「着る勇気、ねぇっての……」
そう呟いて、よいしょって紙袋を持ち直した。駅ビルの中を通り抜けようとして、アクセサリーショップの前でディスプレイされたブレスレットに目を奪われて足を止める。
「クローバー…」
細い革紐に小さな四葉のクローバーのチャームがぶら下がったブレスレット。
押し花をしおりにしたりなんて、俺にはできないけど、相葉さんにもたくさん笑っていて欲しいと思うから……
「すいません、これ……プレゼント用にしてもらえますか?」
今度のおはなし会はクリスマス会だって言ってたし、ちょっと、いや、だいぶ恥ずかしいけど、赤いコートを着てみよう。
サンタみたいだねって、相葉さんが笑ってくれたらいいな、なんて……
俺って健気じゃね?って笑いそうになって、慌てて手で口元を隠した。
俺って健気じゃね?って笑いそうになって、慌てて手で口元を隠した。