図書館を出たあとで、潤が公園で遊ぶってきかなくて、暑いし、ちょっとだけだぞーって、公園へ入っていく。
ブランコしたり、滑り台したり、は良かったんだけど……
「にぃ!お水したい!」
ちょっとくらいなら……と思ったのに、近くにいたヤツらと仲良くなって、あっという間にびしょ濡れになる。
「うぉ!つめてぇ!」
水鉄砲やらバケツやら、なんでもアリになってきたから、さすがに逃げ出した。
公園の入口で立ち止まってる細長い影。
こっちを見てびっくりした顔をしているその人に声をかけた。
「相葉さん!逃げて!逃げて!」
そう言ったのに、ええ?!って言って固まってるから、手を掴んでそのまま走った。
相葉さんにも少し水がかかったから、こりゃマズイって子どもたちを注意してたら、お母さんらしき人たちが、ちらほら公園にやって来て、公園からどんどん人がいなくなる。
まだ遊びたいのと、お腹が空いていたのを思い出したのか、ちょっと不機嫌になっていそうな潤を抱え上げた。
「相葉さん、大丈夫でした?」
さっき、少し水がかかって、シャツの色が変わってる所を指さした。
「うん。それより、櫻井くんが凄いけど……」
相葉さんがポケットからハンカチを取り出して差し出してくれたけど、ハンカチと俺を見比べて、くふふって笑う。
「ハンカチでなんとかなるレベルじゃないね」
「そうっすね」
顔を見合わせて二人で笑って、ひとしきり笑ったあとに、ケツのポケットにスマホを入れっぱなしだったことを思い出して、慌てて潤を下ろしてスマホを取り出した。
「貸して」
相葉さんが俺の手からスマホを取ってハンカチで俺のスマホを拭いてくれた。
「ちょっと待ってて、タオル買ってきてあげる。お昼は?」
「どっかで食って帰ろうと思ってたけど、これじゃ無理っすね」
ははって笑ったら、相葉さんが柔らかく微笑んだ。
「僕、コンビニでお弁当買ってくるから、なにか一緒に買ってきてあげるよ。何がいい?」
「僕、しゃけとこんぶのおににに!」
横で潤が嬉しそうに叫んで、『おににに』に一瞬戸惑った相葉さんが、おにぎりね!了解!って敬礼をした。
潤もぴしって敬礼を返して、笑い合う。
やばい、可愛すぎるんだけどこのふたり。
だけど、相葉さんは仕事中だよな?仕事中の相葉さんに迷惑かけちゃダメだろ!
そう思ってやんわりと断ったのに、大丈夫だよって優しく笑って、相葉さんは足早に公園を出ていった。