「しょーちゃん、お待たせ!」
薬局の大きめなビニール袋をぶら下げて、雅紀が笑顔で戻ってくる。
いやいや、おかしいだろ。ゴム1箱でそんなでかい袋はねぇだろ?
「……何買ったんだよ」
「え?あ、見るー?なんかさ、色々迷ったから色々買ってみたの」
何を?って俺の問いかけはガン無視で、ガサゴソとビニールの袋に手を突っ込んで、楽しそうに笑う。
隙間から見えたのは、色とりどりのたくさんのゴムのものらしき箱たち。
「レジのお姉さんにガン見されちゃった」
あひゃひゃって、楽しそうに笑って言う。
そりゃ、こんなイケメンがこんな大量にゴム買ってたら、ガン見したくもなるわ。
「でさぁ、今日はどれにするー?これはねぇ、感じやすいって書いてあったよ♡」
「ばっ……ばか!ココで出すな!」
雅紀が袋から取り出した箱を、慌ててビニール袋の中に押し戻した。
「え?なんで?」
きょとんとした顔で雅紀が俺を見る。
「どんだけフリーダムなんだよ、お前は!ここ、外!公道!」
「誰も見てないって~」
くふふって笑って、俺の手を握った雅紀が、ぐいっと俺を引き寄せた。
「早く、帰ろ?」
低く囁かれた声に、全身トリハダ。
さっきまでのかわいい雅紀はどこ行った?
ヤキモチをやいてしょんぼりしてた可愛い雅紀に、俺の愛をたっぷり注ぎ込んでやろうと思ってたのに。
「しょーちゃんは、自覚がなさすぎるから、俺がたっぷり教えてあげるね?」
「なっ、なんの自覚だよ?!」
手を振りほどこうとした俺の肩をがっちりと抱え込んで、にやりと笑う。
「かっこよくて、かわいいっていう自覚が足りないんだよなぁ~。隙がありすぎんの」
「かっこいいはいいにしても、かわいいってなんだよ、かわいくねぇよ」
「ほら、そういうとこ、かわいいんだって♡」
完全にオスの顔になった雅紀が、俺の顔を至近距離で覗き込む。
もうダメだ、やばい。
俺の考えてた今日の予定は、全部キャンセルだ。
「ホントに隙だらけ、なんだよなぁ……」
そう呟いた雅紀が、かぷりと俺の唇に噛み付いた。