相葉さんの部屋で、いつもと同じ様に相葉さんがメシを作ってくれて、俺は課題をやってて……
「ねぇ、さっきの女の子って……彼女さんだった人?」
さっきは何にも言われなかったけど、やっぱり見られてたのかって、どきっとした。
「中学の同級生です」
「彼女、でしょ?」
「……高校入って、付き合いましたけど……」
でも、彼女が好きだったのは、サッカー部のエースだった俺。
「……」
すんって、鼻をすする音にびっくりして立ち上がる。
「……相葉さん?」
泣いてんの?なんで?
「しょーちゃん、こっち来ないで!」
「え?ちょっと……どうしたんですか?」
来ないでって言われても、なんで泣いてんの?
俺に彼女がいたっていうのがそんなにショック?
いや、そんなわけないよな?
じゃあ、ほかに……なにかやらかしたのか?俺?
恐る恐る、相葉さんに近づく。
「今日の玉ねぎ、ちょーしみる……」
手探りで換気扇を回して、相葉さんが呟く。
……たまねぎ?
「うぉ!」
キッチンに近づいた俺にも玉ねぎの洗礼が……
鼻がツーンってして、涙が出てきた。
「あーもう!だから来ないでって言ったじゃん!」
相葉さんが振り返って俺を見て、ふたりして、涙目で笑い合う。
笑い合って、相葉さんをそっと抱きしめた。
「しょーちゃん?!」
相葉さんが慌ててる。
「泣いてんのかと思って、ちょー焦った」
細い腰をぎゅうって、抱きしめた。
泣かせたくない。笑ってて欲しい。
そんなふうに思うって、さ……
元カノより、相葉さんの方が好きで、大事ってことは、さ……
「ちょ、ちょっと……しょーちゃん、どうしたの?」
「ふふ、相葉さん、攻められると弱いの?」
「やだ……何言って……」
ヤバイなって、自分でも思うけど。
目の前にある首筋に、かぷりと噛み付いた。
だって、すげえいいにおい、する。
相葉さんがひゃあって、小さく悲鳴をあげた。
「なぁ、やっぱり俺が上じゃね?」
「も、もう!そんな事する子にはご飯作ってあげません!」
「それは困る。けど、こっちもしたい」
もう1回、首筋にキス。
「……しょーちゃん、ずるい」
「ずるくねぇよ。でも、腹減った。メシ、作って?」
手を離して笑ってそう言ったら、首まで真っ赤になった相葉さんが、もう!って怒りながら、切った野菜を鍋に入れて火をつけた。