「あーーー、もうお腹いっぱーい」
食堂のじぃちゃんとばぁちゃんに、何故か気に入られたらしい俺たちは、若いんだからたくさん食え、これは庭で取れたトマトだの、ばぁちゃん自慢の漬物だのって、なんだかんだとただでさえボリュームのある定食の他にオマケだって小鉢がわんさか出てきて……
「食いすぎた……」
車の椅子に座るのがやっとな状態。
「しょーちゃん、椅子ちょっと倒してもいい?」
「あー、いいよ」
横を向いてがさがさしだした雅紀を視界の隅で眺めながら、ベストポジションを探してもぞもぞと座り直した。
「しょーちゃーん、どこ?」
「え?横にあんだろ?」
雅紀の方に身体を倒して……いや、さすがに届かねぇだろって、思い直して顔を上げたら、雅紀と目が合った。
「しょー……ちゃん……」
やばい。
顔、近い……
「しょーちゃん、今日、変だよね?」
「……え?」
「あんまり、俺の顔見ないもん。いつもはちゃんと目を見て話してくれるのに……俺、なんかしちゃった?」
悲しそうな顔に、焦る。
「いやっ……ちが……」
なんて、言えばいい?
一緒にいたっていう美人は誰なの?って?
聞けるわけねぇ、そんなの。
「ごめん」
「なんで謝るの?」
「いや、雅紀は悪くないのに、俺のせいで嫌な思いさせてごめん」
くしゃって、雅紀の髪の毛を撫でる。
「うううん。俺の方こそ、変な事言ってごめんなさい。しょーちゃんに嫌われちゃったのかと思ったから」
ごめんって言いかけたら、聞こえたメロディに雅紀が反応した。
「あ、電話……」
「出なよ」
もしもし?って、話しだした雅紀を残して、車を降りた。