広がれ、繫がれ、お友達の輪
秋の十五夜祭りでぃ!
「ねー、しょーちゃん、『初嵐』って知ってる?」
「『初嵐』?」
「秋の季語、なんだってー」
「季語って…どしたの、急に」
俺の質問には答えずに、くふふって笑って、ごろんって、俺の足元に転がる。
「はい!質問です!」
俺を見上げて手をあげる。
「はい、じゃあ、そこの転がってる方、どうぞ」
「『初嵐』ということでぇー…初めて会った時の印象を教えてください!」
近くにあった雑誌をくるくる丸めて…マイクの代わりなのか、俺の前に差し出した。
「『初嵐』って、そこにくんの?」
「ね!第一印象はどうでしたか?」
テレビや雑誌では覚えてないって、言ってるけど…
「お前は?」
「えぇ?俺?」
えぇとね、って、大きな黒目をくるんって動かして、少し考える。
「しょーちゃんはね、頭良くて、きっちりしてるから、俺のこと嫌いなんだろうなって思ってた」
「確かに、苦手なタイプだと思ってたわ」
それに…お前は滝沢のお気に入り、だったしな…
「俺だけ『櫻井くん』って呼んでるのが嫌だったの。でも『しょーちゃん』って呼んだら怒られるかなって、ニノの真似してしょーちゃんって呼んでみた時はちょードキドキした」
それからね、って俺を見上げる。
「かっこいいなーって、思ってた!!」
くふふって笑うその頭を指で小突いた。
「俺は、お前が俺以外のメンバーには、笑ってたのがムカついてた」
そう言った俺の手を取って、くふふふふって、笑う。
「しょーちゃんこそ、俺以外のメンバーには、すっごいよく笑って喋ってたよ?」
むくりと起き上がった背中を足の間に挟んで、後ろから抱きしめた。
「なんかお前、キラキラしてたし、繊細そうだったから、どう接したらいいのかわかんなかったんだよ」
それは今でも変わんねぇって言ったら、ビックリするかな?
「それからその、気を遣いすぎるところも嫌だった」
「え?」
驚いた顔で振り返る。
「苦しい時とか、辛い時とか、もっと頼ってくれればいいのになって、思った」
「しょぅちゃん…」
雅紀が倒れた日のことを思い出すと、今でも胸がドクドクいうんだ。あんな思いは2度とごめんだから…
「俺にだけは、甘えろよ?」
うんって、頷いて、俺の膝にこてんって、頭を載せる。
「…しょーちゃん…ちょっと寒い」
「ん?窓閉める?」
9月半ば。
まだ昼間は暑いけど、夜はだいぶ涼しいしな…って立ち上がったら、もう!って、俺の足をひっぱたく。
「なんだよ!」
「ちがうの!ぎゅって、して?」
「伝わりづれぇわ!」
ふたりで顔を見合わせて笑ってから、抱きしめてそっと唇を重ねる。
「人生の半分以上、嵐になったね?」
「おぅ」
「これからも、よろしくね?」
「お前が嫌だって言っても離さないから安心しろ」
えー?って笑う唇に…
今度は深く、ゆっくりとくちづけた。
