「え!ここ、お店なんですか?」
「そ。パッと見わかんないでしょ?」
大通りから少し外れた細い道の奥、看板もなにもない小さなトラットリア。
ドアを開けて、相葉くんを中へ促した。
「わぁ!かわいい!」
相葉くんが目を輝かせながら、店の中をくるっと見渡した。
店の内装見てかわいいって、そう言う相葉くんが可愛いだろ……って、思う俺は大丈夫なのか…?
「櫻井くん、久しぶりだね!」
店の奥からパドローネがニコニコと出迎えてくれて、相葉くんを見てあぁって、またニッコリと笑った。
「個室の予約とかいうから、ビックリしたけど…どうぞ、ごゆっくりね。おまかせコースで良かったよね?」
個室のドアを開けてパドローネが言う。
相葉くんを先に通した俺の肩を意味深に叩いて、パドローネが戻っていく。
いやあの、勘違いしてませんか?
相葉くん、オトコ、なんだけど…
デートじゃねぇし…
上着を脱いで、ハンガーにかけてから席に着く。
「櫻井さん、ここ、よく来るんですか?」
「え?あぁ、会社入った頃に上司に連れてこられて。それからよく来てる。最近忙しくてあんまり来れてなかったから、相葉くんをダシにココ予約しちゃったけど」
「…デート、とか?」
「デート?する相手、いねぇけどな。ここに誰か連れてきたのは、相葉くんが初めてだよ」
飲み物、どうする?ってノンアルコールのカクテルとソフトドリンクのメニューを渡そうとしたら、相葉くんが俺を見上げた。
「ホントに?」
「ん?あぁ、うん。嘘ついてどうすんの?」
「…そう、なんだ…」
くふふって、目を伏せて笑う相葉くんが、嬉しそうに見えたのは、気のせい?
…そんな相葉くんを見て、俺の心拍数が上がったのも、きっと、気のせいだ。
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おはようございまーす(*´艸`*)
『パドローネ』ってね、オーナーさんのことです。
イタリア語でそう言うそうですよー。
グーグル先生に聞いてきました(*´艸`*)