「うま!」
隣で松本が大きな声を出した。
「相葉くん、マジでうまいよ!」
松本の声にぺこり、と頭を下げて、また俺をじっと見る。
「…なんだよ」
「…だって…」
「そんなガン見されてたら食いづらいわ!」
「だってええぇ~」
「だって、なんだよ?」
「これでしらすパスタ不味かったら申し訳なさすぎじゃん?やっぱラーメン作るからぁ…」
言いながらどんどん小さくなっていった相葉くんがカウンターの向こうに見えなくなった。
フォークに巻いたパスタを口に運ぶ。
「こら、出てこい、モグラ」
モグラじゃねぇし!って、ぴょこんって、また顔を出した相葉くんの頭をメニューでペチって叩いた。
「ヒット」
「ずりぃ!ここしか出てこないってわかってんじゃん!」
むぅ、と口を尖らせた相葉くんにもう1度言う。
「ヒット、だから」
ん?って、相葉くんが首を傾けた。女子みたいな仕草が、こんなにハマる奴もいるのか…
「櫻井さん?どゆこと?」
「しらすパスタ、俺的にクリーンヒット。てか、ホームラン」
ぱあぁ!って、笑顔が咲く。
「マジで!マジっすか!やったー!良かったー!しらすパスタ、俺のイチオシなんすよ!」
「サク、俺にも一口くれ。あんかけ焼きそばもやるから」
松本と皿を交換して、ふたり同時に『うま!』って、呟く。
「まーちゃんの料理はどれもうまいっていったろ?」
二宮の隣で何故か大野くんがドヤ顔で言って、俺の目の前で相葉くんがくふふふふって笑う。
コロコロコロコロ、表情が変わる。
感情まで忙しいヤツだな。
素直って、ことなのか。
なんか、その素直さがちょっと眩しくて、しらすパスタの皿に視線を落とした。