しょーちゃんに、見られた。
たぶん、間違いなく...見られた。
潤と...ディープなのしてるの、見られた。
冗談とかで、済ませられるレベルじゃない。
思わず、渡されたスマホを握りしめて出てきちゃったけど…
しょーちゃんを追いかけて、探す?
見つけて、なんて、言う?
...なんて、言われる?
廊下の途中で、足が止まった。
手の中でしょーちゃんのスマホが震える。
見るつもりなんて、なかった、のに...
画面に表示されたのはカノジョからの新着メール。
『今日、いくね♡』
彼女だったら、当たり前にこうやって、デートして、キスして...しょーちゃんに抱かれて...
しょーちゃんのスマホなんて、持ってこなければ、良かった。
足元がぐにゃりって、曲がる。
「...っ」
壁に寄りかかって、そのまま、階段を上がる。
ぐわんぐわんって、頭痛がして...
ぐるぐる、眩暈がする。
胸がぎゅうって、苦しくて。
額には、嫌な汗がにじむ。
苦しくて、胸のあたりを押さえた手が、ぶるぶる、震えてる。
どうしたんだよ、俺。
壁に手をつきながら、なんとか階段を登りきって…前に教えてもらった鍵の隠し場所から鍵を取り出して、ドアを開ける。
「まぶし...」
広がる、青空。
風がすぅって、通って、やっと普通に息ができるようになった。
大きく数回、息をしてから、端っこまで歩いて、手すりにもたれ掛かる。
真っ青な空を見上げて、手を伸ばした。
俺、なにしてんだろ。
何がしたいんだろ。
橘くんを利用して、
潤の気持ちもわかってて宙ぶらりんにして...
しょーちゃんには、見られたくなかった。
俺の、真っ黒なとこ。
しょーちゃんにだけは、いつも笑っていたかった。
「ふふ、バカみたい」
高くに見えるお日様がゆらゆら、ゆれて…目尻から涙が零れ落ちた。
上を向いたまま、あふれる涙をそのままにした。
擦ったら目が腫れちゃう。
このあと撮影なのに、迷惑かけちゃう。
もう少し泣いたら、終わりにしよう。
涙が止まったら、もう迷わない。
俺は…
しょーちゃんを守るって決めたんだから。