「そういう、誤解されるようなこと、いろんな人にやらない方がいいんじゃない?俺、橘くんの彼女さんに怒られちゃいそう」
やっと自由になった右手でフォークを取って、パスタをくるくる巻いた。
「彼女なんて、いないって、ホントに」
「でもさっき、誰か見て固まってたじゃん。彼女さんがいたんじゃないの?」
「あぁ...」
気まずそうな顔をして、橘くんが俺を見た。
「さっき、櫻井くんを見た気がする...女優さんと、一緒だったけど...」
「あー、カノジョじゃない?」
ぱくり、パスタを口に入れる。
しょーちゃんオススメのペスカトーレなのに...
味がしない。
「...余計なお世話かもしれないけど、あの子はやめた方がいいんじゃないかな」
「え?」
半分、本気で驚いた。
橘くんからそんなこと、聞くと思わなかった。
「あの子、さ...結構アクドイよ?」
「そうなの?」
「櫻井くん、そういうのって見抜きそうだけど」
しょーちゃん。
胸の奥が痛いよ。
どうしたら、いい?
「俺は、知らない」
「え?」
今度は橘くんが驚いた声を上げた。
「しょーちゃんが、誰を好きで、それがどんな子だって言われても、俺は...知らない」
「へぇ、意外だな」
意外とドライな付き合いなんだねって、笑う。
何が本当で、何が嘘か、なんて。
誰にもわかんないんだ。
「わかんないでしょ?」
「え?」
「何が本当で、何が嘘なのか... 本当の俺がどんなヤツなのか...」
橘くんが、ぷって吹き出した。
「相葉くんは、相葉くんだよ。いいね、そういうとこ。ますます、好み」
そう言って、俺に向けてグラスを掲げた。