「これはやっぱ...目の毒だわ...」
ダイニングのテーブルで向かい合って、宿題をしていたら、しょーちゃんがぼそっと、呟いた。
「え?何が?」
ノートから顔を上げたら、しょーちゃんが、ぱっと視線を逸らした。
「しょーちゃん?」
しょーちゃんは、鼻の横をポリポリ掻いて、俺に視線を戻した。
「次からは、マジで、気をつけます」
しょんぼりした声でそう呟いて、ノートパソコンの影に隠れちゃったしょーちゃん。
「ちょっと...何のことだか全然分かんないんだけど...?」
身体を斜めにして、横からしょーちゃんを覗き込んだ。
「おぉーい、しょーちゃーーーん」
「さくらいしょうさーーーん」
顎をテーブルに乗っけたまんま、しょーちゃんは目だけ動かして俺を見た。
「明日から、ハイネック着て」
「は???」
「それか、すごい首んとこ詰まってるTシャツ...」
「え???」
「下、向くと、見える...」
「した?」
言われて、視線を下げる。
しょーちゃんが、付けた、赤い、シルシ...
「自分で付けたキスマークに、動揺するって...馬鹿すぎだろ」
ごんっ、て、すごい音を立てて、しょーちゃんがテーブルに頭を落とした。