「あれ?泣き止んじゃった??」
パンを抱えてドアを開けながら、しょーちゃんが俺の顔をのぞき込んだ。
「自転車漕ぎながら泣いてたら、変な人じゃん!」
そりゃそうだ!って、笑ってるしょーちゃんの背中を、グーで軽くパンチする。
「わ!今のちょぉおー、痛てぇ!」
しょーちゃんが、笑いながら、大げさに言う。
「そんな強く叩いてないじゃん!」
「背骨、ヒビいったかもー!」
「そんなわけないじゃん!」
「あー、ダメだー!痛い~...」
ばたり、とソファに倒れるしょーちゃん。
「もー、どうしたの?」
「...雅紀がキスしてくれなきゃ、治んない...」
こっちを向いて、ニヤリって、笑う。
...え...
...えっと...
...この場合は、どうしたらいいのかな...
俺からキス、なんて...
したこと、ないかも...
「雅紀」
しょーちゃんが、俺の手をおいでっていうみたいに、クイクイって、引っぱる。
引っ張られるままに、しょーちゃんに近寄る。
グイ!
「わ!」
急に力いっぱい引っ張られて、しょーちゃんの上に覆い被さるような体勢になった。
「キス、して?」
俺を見上げるしょーちゃんに、心臓が破れちゃうって思うくらいドキドキして...
目をぎゅってつぶったら、それじゃ、口がどこにあんのか見えねぇじゃんって、しょーちゃんに笑われた。
「む、無理...」
「じゃ、また今度な」
しょーちゃんは笑って起き上がって、ちゅ、って、俺にキスをした。