「雅紀、これってさ...」
机の上に広げた課題を見て、しょーちゃんが呟く。
「あ、分かっちゃった?」
ノートから顔を上げた俺に、しょーちゃんは、優しく微笑んだ。
「...また、凄いことやるつもりなんだな、お前...」
パラパラと、テキストをめくったしょーちゃんが、よし!って、小さく呟いた。
「雅紀、明日は、大学に行こ?」
「え?大学?しょーちゃんの?」
「うん、図書館。俺と一緒なら入れるから、もっといい本探してやる」
課題の山を見て、俺が大学入試に必要な2つの試験を受けるつもりだって、分かっちゃったみたい。
さすが、しょーちゃん、だよね。
「雅紀は、あれだろ?海洋生物学だろ?」
しょーちゃんの言葉にうんうん!って、頷く。
ただ、しょーちゃんの近くにいたいから、留学しに来たわけじゃないんだ。
しょーちゃんの大学の先生で、シャチの研究で有名な人がいて...その人のところで、シャチの研究がしたい。
ずっと前に、そんな話をしていたのを、覚えていてくれたんだって、嬉しくなる。
「俺も、雅紀に負けらんねぇな!」
しょーちゃんはそう言って、パソコンを開いた。
しょーちゃんと、ふたり。
しょーちゃんと、ふたり、なら。
なんでもできそうな気がするよ。