「ナデシコ、もしかして、デート?」
「えっ、あの...」
「そうだけど?」
なんて答えようって、思っていたら、しょーちゃんが俺の腰をぐいって引き寄せて、そう、答えた。
「しょーちゃん!」
デートって、デートって...
…デート、だって...
ダメだ、顔がにやけちゃう。
てか、近い…
しょーちゃんの顔が、すぐ隣に、ある。
心臓が、ドキドキ言ってる。
「さっきから、気になってるんだけど『ナデシコ』って、何?」
俺を抱えたまんま、しょーちゃんが言う。
「Japanese YAMATONADESHIKO!」
クラスメイトが声を揃えて、言う。
「だから!俺は男なんだって!サムライなの!ヤマトナデシコじゃないんだってば!」
「マサキは、ヤマトナデシコだろ!」
「だからー!」
ほぼほぼ、毎日、学校でしているやり取りを、繰り返す。
ふいに、しょーちゃんが、俺をまたぐいって、引っ張って、俺はしょーちゃんの腕の中にすっぽり、収まった。
「雅紀は、俺のもんだから」
耳元で響いた、しょーちゃんの低い声に、ぶわぁって、全身の血が逆流した。
クラスメイトの2人も、ビックリした顔で、俺達を見て...その後、何故か赤くなって...
「Have a nice day!」
って、手を振って、ぴゅー!って、走っていなくなった。
「どうしたんだろ…?」
「…なんだろな(笑)」
クスクス、笑いあって、しょーちゃんが、離れる。
あぁ、離れちゃう…
背中が少し、寂しいけど…
「じゃ、行こっか?」
当たり前のように、差し出された手に
俺の心臓はまたトクンって、跳ねて…
俺はそっと、手を重ねた。