あまり、眠れないまま研究所へ出掛けた。
昼前に
「ちょっと、出てくる」
そう言って、出ていった松本さんが、戻ってくるなり、大きなため息をついたかと思ったら、デスクに肘をついて、頭を掻き回した。
「松本さん?」
思わず、声をかけた。
「どうしたんですか?」
松本さんは俺の顔を見て、しばらく何か考えた後に、手でインカムを切れって、合図した。
「何ですか?」
不思議に思って、そう、聞けば...
『オリジナル』と『クローン』を見分ける方法はないか、と...
それは、つまり...
口の中が、渇く。
鼓動が痛いくらい速く、なる。
俺が感じている違和感と、不安。
それを、松本さんも...?
「『オリジナル』に会ったんですか?」
...怖い...
「………ちらっと見てきた」
「俺も、見に行きました」
「どう思った?」
...怖い...
あの時、培養液に落ちたのは...
おーのさんが、処分したと言ったのは...
松本さんの、射るような視線から、逃げるように下を向いて、首を振った。
「俺は櫻井さんや松本さんほどマサキと接していた訳じゃないので、何とも…………」
分からないんだ。
相葉さんと何度、話しても...
「そうか………」
「松本さんはどう思ったんですか?」
聞きたく、ない...
聞きたく、ない、けど...
聞かなくちゃ、いけない。
知らなくちゃ、いけない。
顔を上げて、松本さんの瞳を見た。