「わぁ、夕焼け…キレーだな」
辞書を取りに戻った教室で、思わず声が出た。
「 … 」
隣の席、しょーちゃんの机をそっとなでる。
同じ学校に行こうねって約束、
叶うわけないって思ってたのに…
2週間前、突然しょーちゃんが現れて…
夢なんじゃないかって…
朝起きたら、
しょーちゃんがいなくなってるんじゃないか
って、毎日思ってた。
でも、しょーちゃんは、ちゃんといてくれて…
『雅紀』
僕を呼んでくれる声が、好き。
優しく笑ってくれる瞳が、好き。
優しくなでてくれる手が、好き。
すねた時にとがる口が、好き。
やわらかい髪の毛も、好き。
しょーちゃんは嫌だっていうけど、
なでてる肩も、好き。
ぜんぶ、ぜんぶ、好き。
あと少ししか、一緒にいられないけど…
今度は僕が、会いに行くから。
それまで、好きでいても、いい?
ずっと、しょーちゃんを、好きでいても、いい?
しょーちゃんの席に座って、
刻刻と色を変える空を見る。
『雅紀、今、空見える?』
『うん、見える』
『俺も、空、見てるよ、今』
『しょーちゃんも?』
『すげえよな、空って』
『なんで?』
『だって、地球上、どこ行っても見れるんだぜ
同じ空が繋がってんだぜ?』
また、離れても、空は繋がってるから…
「雅紀?」
しょーちゃんの声に振り返る。
「どした?」
ふわり、僕の髪をなでる。
「 … 」
「雅紀?」
うつむく僕の前髪をそっとあげて、
おでこにキスをくれる。
「しょー、ちゃん…」
「ん?」
「大好き…」
「ん、知ってる」
優しく微笑んだしょーちゃんは
夕焼け色にキラキラ光ってた。
