「まさきー?風呂出たよ?あれ?寝ちゃった?」
「…起きてる…」
雅紀は布団の上に寝転んで、
返事だけで振り返らない。
顔の見える位置まで移動してのぞき込む。
もう一度、声をかけようとして
手に握られたスマホに気がつく。
「…調べたの?」
喉が貼り付く。
冗談に決まってんだろ!
なんて言いたくなる自分を
なんとか押しとどめる。
「うううん。調べようと、思ったの」
大きな瞳が俺を見つめる。
「でも、なんか、
調べない方がいいような気がしたからやめたの
しょーちゃんは、調べて欲しかった?」
「え、いや…」
心臓の音が大きくなる。
自分の心臓じゃないみたいだ。
言うなら、今、だろ?
「なんか、いろいろ、わかんなくなっちゃった…」
ゆっくりと身体を起こして、膝を抱える。
上目遣いで真っ直ぐ俺を見つめる。
「しょーちゃんは、さ
僕のことどう思ってるの?」
直球。
ストレートの豪速球だろ、これ。
打ち返せるか、俺。
雅紀の前に跪いて、震える手を伸ばす。
そっと頬を包んで、
不思議そうに見つめる雅紀のおでこに
キスを落とす。
「これは、親愛のキス
自分より弱いもの、守りたいものにするキス」
頬にキス。
「これは、友情のキス」
手をとって、手の甲にキス。
「これは、尊敬のキス」
雅紀は何も言わずに俺を見ている。
雅紀の目を見ながら…
手のひらにキス…
「これは、懇願の、キス」
「こんがん…?」
雅紀が首をかしげる。
「あなたの愛を私にください」
「…え…?」
「昔はプロポーズと同じ扱いだったらしいよ」
「しょーちゃ…」
「俺、雅紀が好きだ。
ずっと前から、雅紀だけが特別なんだ」
俺を見つめる大きな瞳から涙がこぼれた。