地下鉄の駅を出ると目の前に、見上げると首が痛くなりそうな太陽サービスの高層自社ビル
こんな大きな会社の担当だなんて緊張するけど、翔ちゃんから引き継ぐんだもん頑張らなくちゃ
『さ、行くぞ』
『はい』『はい』
『櫻井さん、こんにちは』
『こんにちは、二宮さん。今日は新しい担当を連れて参りました』
『この前仰っていた新しい方ですね。二宮です。よろしくお願いします』
差し出された名刺
二宮和也
あれ?
まさか?
『竹内美唯子です』
『え?みー?』
『やっぱり!カズだよね?』
あたしとカズの顔を交互に見てる翔ちゃんに
『課長。二宮さんとは幼馴染なんです』
『もう13…いや、14年会ってなかったかな?』
『こんなところで会えるなんて、ビックリしたわ』
『すごい偶然ですね』
坂本さんも驚いてる
『それでしたら私も安心して竹内と坂本に任せられます。二宮さん、どうぞ今後ともよろしくお願いします』
ひととおり太陽サービスさんとの打ち合わせが終わり、帰ろうとした時
『みー、俺の名刺かして』
さらさらとペンを走らせる
『俺の個人携帯の番号教えとく。仕事の話は名刺の方の携帯にかけて』
昔と変わらない人懐こい笑顔に
『うん。連絡するね』
自然とそうこたえた
『いやぁ、ビックリしましたね。10年以上も会ってないのに、こんなところで会うなんて』
『毎日一緒に遊んでいたんですけど、私が引っ越してそのままになっちゃって』
『懐かしいのは分かるけど、仕事とプライベートはちゃんと…な』
『はい』
翔ちゃんが言うのは社会人として当然のこと
『でも二宮さん、なかなかのイケメンだし、偶然の再会から恋に発展…なんてこともあるかもしれないですよ〜』
無邪気に笑う坂本さんに
『それはないですよ〜』
ちょっと恥ずかしくてわざと大袈裟に返した