「リー…ダー…」


  そう呟いた時、医務室の扉が開き、それに気付いたリーダーの唇が離れた。そして、

「あっ!!お前!!俺の相葉ちゃんに何してんだ?!」
  って、リーダーの声がした。

「ええっ?!」



  戸口に、ニノと松潤と、そしてリーダーが立ってた。
  俺の体の上にも、馬乗りになったリーダーが…?


  俺は、思わず手を離して体を起こし、リーダーを撥ね退けた。
「あっ!!バカ!そのまま捕まえてろよ!」
  ニノに言われた。

「えっ?えっ?」

  俺は、ベッドから降りはしたけど、どうしていいかわかんなくなっちゃって。戸口の3人とベッドの上のリーダーを見比べてる。

  3人が、じりじりベッドへ歩み寄って、リーダーに襲いかかる間合いを計ってる。
  ベッドに居るリーダーは、恐い顔して座ったまま見上げてる。



  張り詰めた空気に耐えきれなくなって声を上げた。
「ちょっと待って!」

  3人の前に両手を上げて立ちはだかった。
「あっ!!おい、何してんの!!」
「早くどいて!」
「あいばか!邪魔するんじゃないよ!」
「だって可哀想じゃん!3人がかりなんて!」

「あっ!後ろ!!」

  リーダーに言われ振り返ると、もう1人のリーダーが奥の部屋の扉を開けていた。

  俺と目が合ったリーダーは、
「やっぱり雅紀は可愛い奴だな」
  って、リーダーとは思えない程スマートに投げキッスを決めて中に入ってった。

「待て!」

  松潤が叫んで後を追う。そのすぐ後にみんな続いた。
  でも、もう、その姿は消えてしまってて。この先、人が通れる扉なんてないのに…。あるのは、通気口ぐらい?

「逃げられた…でも、行く所は分かってる」
  松潤が言った。

「どこ?」
「残る1人の所」
「翔ちゃんとこ?」

  松潤は確信を持った眼差しで頷いた。

「相葉さん、あなたのせいですよ」
  ニノに肘で突かれた。
「どうしてあんな庇うようなこと…」
「だって、もう逃げ道なんてないって思ったから…」
「ほんとかなぁ…あなた、まさか…」
  ニノの視線が俺の下半身に流れた。
「ば…ばかっ!なんともなってねぇわ!!」

  俺は手で押さえつつ、ちょっと確かめてみたりして…。
  うん。大丈夫。大丈夫だよ。
「そ…そんなことより、翔ちゃんとこ!行こう!!」

  俺達4人は、1つになってコントロールルームに向かった。