「ちょ…ま、待って!!」

  思わず顔の前に出した俺の手に怯むどころか、リーダーは、その俺の指を咥えて吸った!

「あ…ああ?」
  舌で、指を包む様にして咥えたまま頭を動かされて、妙な感覚に声が出ちゃった。

  呆然と俺が見守る中、リーダーは何回かそれを繰り返した後で、ねぶってた指を離した。そん時、指の先を強く噛んでった。

「イテェッ!!」

  声を上げて手を引っ込めた。噛まれた所から血が出てた。
「リーダー、やり過ぎ!何してんの?!」

  文句を言う俺を、リーダーは舌舐りしながら見下ろしてる。

「可愛い雅紀。俺の子ども産んでくれ」

  低い声で囁く様に言うリーダーは、その目はもう、いつものリーダーじや、全然なくて。本物の肉食系の獣みたいで…。

「そんなに怯えなくても…優しくしてやるよ」

  とろけそうな美声で囁かれたけど…優しくって、本当、何する気?!

  俺は体を丸めた。その俺に、リーダーは馬乗りに襲いかかってくる。
  胸の前に併せた腕の手首を掴んで広げられて、仰向けにベッドに押し付けられて…。

  見上げたリーダーの顔は、もう、知らない男性(ひと)。


「やめろー!」

  叫んで抵抗するけど、ガッチリ押さえ込まれてて、肩を揺することぐらいしかできない。

「大丈夫。恐くないから」

  そう囁く唇が、俺の首に落ちる。それは徐々に下がって、鎖骨を這って、そこの端に痕を残して…。

  リーダーの頭は次第に俺の体を降りていく。


  暴れたせいでシャツが乱れてて、お臍が見えていた。そこにも唇の洗礼を受けた。

「リーダー…やだ」

  何だか妙な感覚が、自分で自分の体の自由を奪ってる。呼吸が浅い…。

  リーダーは、シャツの端を噛んで捲り上げた。露にされる腹。その上を這いまわる唇に、俺は息を詰めて、目を固く閉じた。

  掴まれていた腕を、いつの間にか俺が強く握ってた。

「リー…ダー…」