「相葉チャン…好きだ。俺の子ども産んでくれ」
言ってることはメチャクチャだけど、リーダーの目は真剣だ。
「リーダーの気持ちは嬉しいよ。俺もリーダー好きだし」
「じやぁ…」
喜びかけたリーダーから、顔を離しながら先を続けた。
「でも、それは無理」
「マジかぁ?!」
丸で、駄々っ子みたいにほっぺた膨らませてるリーダーを可愛いと思いつつ、やっぱりこれだけは無理だと思う。
いくら医療が進歩したって言ったって “卵” なしで生殖は不可能だからね。
「無理なものは無理なの!ねっ、そんなことより、リーダー、どっか具合悪くない?も一回、診察しようか?」
情緒不安定だよね。何だろう?未知の宇宙線の影響?それともストレス?まさか、菌やウィルスじゃないよね?!
俺はとことんリーダーを観察した。
顔色も、皮膚の弾力や肌艶も、目の耀きも、特に変わりはない。…そう言えばさっき、みぞおちの辺りを摩ってたっけ。胃痛?心臓…ってことはないよね?
じぃっと見詰めてる俺に降参したのか、リーダーが、
「分かった…ちょっと、お腹の具合が変かも…診てくれる?」
そう言って、ベッドに横になって、少し恥ずかしそうにお腹を出した。細く、引き締まった筋肉が、薄い皮に包まれた腹部を。
「じゃ、診ますねぇ。痛かったら言って下さぁい」
俺はリーダーのお腹に手を当てて、内臓をひとつひとつ思い浮かべながら、確認する様に押した。リーダーの顔色を見る。特に痛みが強い所はなさそう。
でも何だろう?この感覚。いつものリーダーのお腹の感じと違う気がする。妙にあやふやな感じ。何だか全部がはっきりしない。
「相葉チャン…」
「あっ、どっか痛い?」
「違う…感じる…」
「ん?!」
言うが早いか、驚く間もなく、腕を掴まれ引き倒された。
目を白黒してる俺に、リーダーが覆い被さってくる。