注意
BL的要素が入ります。
お嫌いな方はスルーして下さい。
うなじにキスされた。
首を竦めて、後ろを見ようと捩る。
耳に掛かる翔さんの息。少し震えてる。
「潤…頼むよ…お願いだ…」
耳の縁に、唇が微かに当たってる。
胸を弄っていた手が臍まで降りて、シャツをたくし上げ、素肌に触れた。そして、俺の腹筋の凹凸をゆっくりなぞって、再び上を目指す、翔さんの手。
「…はぁっ!」
擽ったさに息が漏れた。肌が粟立つ。頭上でゴムを握る手に力が入った。
どうしよう。冗談じゃなさそうだ。でも、どうしてこんなこと…。
戸惑う俺に構うことなく、翔さんの指が俺の乳首を弾いた。
「ね…やめ…ない?こんなこと…」
俺は、翔さんが、「な~んてね!」なんて言って、冗談にしてくれることを期待したんだけど、翔さんは、
「やめない…やっと…なのに…」
って、低く呟いて、更に俺の耳朶を吸った。
その唇が、徐々に首に移っていく。
柔らかなその感触に、頬が紅潮する。
「ん…」
乳首を少し強くつままれて、下っ腹に力が入った。
微妙に擦れる腰に、何かが当たってる。
「潤の汗…いい匂い」
翔さんの左手が再び上に向かって動き出す。それと当時に右手は下へ。
左手の指先が、喉から顎、そして、唇の縁をなぞる。
右手は、左手が上がったせいで露わになった俺の腹をゆっくりと撫で、パンツの際を左から右へ、右から左へ、何度も行き来して、その位置を下げようとしてるみたいだった。
翔さんが、押し殺した様な熱い息を吐いた。
ダメだ。マジ、ヤバい。
もう限界だ。
俺は強化ゴムを離し、翔さんの手を払って、勢いよくお辞儀した。
俺の腰に体を払われた翔さんは、無重力の室内に浮かび上がり、天井に尻餅を着いた。
大きく見開かれた翔さんの目と目が合った。薄く開いた口が、戦慄いてる。
翔さんは、暫く固まった後、覚悟を決めた様に目を閉じた。
その様子に、俺は違和感を覚え、慌てて足を固定してるベルトを緩めにかかった。
その、翔さんから目を離したほんの短い時間に、彼は姿を消した。
再び見上げた天井にも、また、部屋のどこにも翔さんの姿はなかった。
だけど、扉が開いた音、聞いてない…。
これは…どういうことだ?