窓の外に広がる東京の夜景。不夜城の一角。あーそー。不夜城ね。もう覚えちゃったよ。

  豪奢なホテルのスイートルーム。もう勝手にやって下さい。テーブルの上に並んだ2つのグラス。ソファの上に横になる人影。あれ?さっきと違う。シャワー浴びてないの?

  俺は振り返った。

「リーダー」

「よっ、相葉ちゃんもこっち来て飲も」

  リーダーは眠そうな目を擦りながら起き上がった。

「ね、リーダー聞いてよ」

「ん?どした?」

「俺、変な夢ばっか見ちゃってさ、全然眠れないんだよ」

「実は俺もだよぉ」

「え~?!そうなのぉ?」

「なんか、マツジュンが相葉ちゃんに振られた…とか言ってメソメソ泣いてるんだよ。その横で翔ちゃんがメッチャ落ち込んでんのよ。訳聞いたら、これも相葉ちゃんに振られたって。ほいで、ニノもずっとトランプいじってて…も、なんかめんどくさいから逃げてきた」

「へぇ~!リーダーもメンバーの夢見たんだぁ」

「さ、飲も、飲も。飲んで、一緒に寝るか!」

「うん、そうだね!」

  俺はグラスの中身を一気に煽った。途端に、喉に焼け付く様な刺激を感じた。

「うわっ!何?!これ?!」

「ウォッカ・スピリッツ。アルコール度数96%だよ」

「えぇ~!!」

  クラクラする。もう、逆らえないくらいの睡魔が、俺を泥の様な眠りに引き摺り込んだ。

「相葉ちゃん、おやすみ」

「もう寝た?」

「うん」

「もうこれで彼は抵抗できませんな…フッフッフッ…」

「さぁ、お楽しみはこれから…」

「彼にはゆっくり満足していただきましょう…」

  なんか…みんなの声が聞こえる…ヤバい!!起きなきゃ!何されるかわかったもんじゃない!!今日の夢ん中のみんなは、オネエより恐いもん!







ジリリリリ………!!







「…俺…寝た?」

  取り敢えず起きた。

  自分の部屋で。





終わり