以前、小説サイトに載せたものの再掲ですが…


こんな感じの、書いてました…の、名刺代わりに…






  窓の外に広がる東京の夜景。不夜城の一角。豪奢なホテルのスイートルーム。

  でも、何で俺、こんなトコ居るんだ?

  バスルームからはシャワーの音。テーブルの上に並んだ2つのグラス。

  どうにも思い出せない。でも、この何とも危なげなシチュエーションの中で、不思議と俺は緊張していなかった。

  シャワーの音が止み、バスローブを纏った男の人が出てきた。顔はタオルで髪を拭いているから分からない。その、窓に映る人影が、真っ直ぐ俺の方に歩み寄る。背は俺と同じくらい。

「マサキ…何してるの?」

  その声は…?

「マツジュン?!えっ?!何で?!どうし…」

  唇に人差し指を当てられた。タオルを肩にかけ、もう片方の手で髪を掻き上げる。

「今更…何言ってんの」

  妙に色っぽい目付きで俺を見てる。こんなの、ドラマのラブシーンでも見たことないよ!

「ちょ…ちょっとやめてよ!ふざけてんの?!」

「別に…ふざけてないよ。そっちこそふざけてんの?それとも、恐くなった?」

  肩を抱かれ、ホッペタにキスされた。
  もうね、パニクっちゃったね。だって、あのリアルな顔がすぐそこにあってだよ。なんかスゲー雰囲気出してくんだもん!!

  取り敢えず、マツジュンの肩を両手で押して距離をとった。

「あの、そのリアルな顔近付けないでくれる?」

「お前…リアルってゆうなよ!」

  マツジュンは笑いながら俺の脇腹を擽る。

  俺は笑いながら後退った。

  マツジュンは笑ってる。

  俺も笑ってる。

  2人とも笑ってる。

  でも、気がついたらベッドに押し倒されてた。

「え?!」

「もうお遊びはおしまい」

  耳元で囁かれて、首筋にマツジュンの唇が……

「あーーー!!!」

  俺は汗だくで飛び起きた。自分の部屋のベッドの上。

「…なんだ夢か…」

  布団の上に脱いだ物が散らかってる。なぜか首にジーンズが巻き付いてた。このせいで変な夢見たんだな。

「昨日酔っ払っちゃったからな…ここで脱ぎ散らかして寝ちゃったんだな…」

  俺はそれを洗濯物の籠の中に放り込んで、再びベッドに入った。