プロローグタッタッタッ...道路を駆け抜ける、そんな音がする。ここはどこだろうか。その問には誰も答えない。答える者もいない。そのはずだが。____誰? 幼い声がした。ここに人なんているはずないのに。____あなたは誰なの?少女は言った。幼い声はこう答えた。____ピッピッピッピッピピッピピッ...狙っていたかのように朝を告げる音が鳴る目覚まし時計をがしょんと止めた少女は夢の記憶を一欠片たりとも覚えてはいなかった。