あ、またこの歌。
最近よく流れてるな~。
もうすぐバレンタインだもんなぁ。
早いなぁ。
だって今年になってもう二ヵ月もたったんだよ?
ほ~んと早い。
「ねね、智くん♪」
「ん?なんか早菜ゴキゲンだね」
「明日ってなにしてる?」
「明日?ん~と、仕事だけど?」
「何時まで?」
「多分遅いかな~。なんで?」
「智くんの家で待っててもいい?」
「何時に終わるかわかんないよ?」
「大丈夫!待っててもいい?」
そりゃ、疲れて帰ってきて、早菜が家にいたら嬉しいに決まってるけど…
いつ終わるかわかんないのに待たせるのもな~。
「…ダメ?」
でもそんな可愛い顔で言われちゃったら
「いいよ。」
いいに決まってる。
「お疲れさまでした~」
やっぱり遅くなっちゃった。
もう日付変わるし。
早菜、大丈夫かな~。
「ただいまっ!」
ハァハァ。
走って帰ってきたけど…
あれ?真っ暗。
やっぱり寝ちゃったか~。
「さ~としくんっ♪」
「わっ!」
「ビックリした??」
「も~!寝たかと思ったよ~」
「んふふ~」
「ちょっと早菜っ///」
真っ暗の中で早菜に後ろから抱きつかれてるから、ドキドキしてきちゃって…
だんだん暗やみに目が慣れてきて早菜を見ようと振り替えると……
「おわっ!!」
「へへへ~ビックリした??」
振り替えるとそこには早菜じゃなくて…
……?
あれ?なんだっけ、コレ。
ニノの映画で見たような……
「……」
「…も~。なんで無反応~?」
「へ?あ、ごめんっ」
「ちょっと恥ずかしかったのに~。」
「これって…」
「田中星人?だっけ??ニノくんの映画の」
そうそう!田中星人!
じゃなくて…
「なんでコレ…」
「実はね、ニノくんから電話が着て…リーダーは田中星人がかなり好きだから喜ぶよって。でも智くん、そんなに好きなの?」
…ニノめ~!早菜に変なこと言いやがって!
「でもさ、なんで急に田中星人?」
「だって今日はバレンタインでしょ~?いつもお仕事忙しいから、智くんに喜んで欲しいなって…」
あ~バレンタイン!
そういえば、きよみちゃんも悩んでたもんな~。
クイズとかで渡したらいいんじゃない?って思いつきで言っちゃったけど…
「早菜、ありがとっ!めっちゃ嬉しい。でもそろそろこの被り物脱いでね」
「ふ~。暑かった~!あ、コレ…チョコレート♪でも、いっぱいもらったよね…」
「…ありがと。早菜のが一番嬉しい!」
たくさんもらえるかもしれないけど…
おいらが一番嬉しいのは早菜のだけだよ。
バレンタイン、忘れてたのはキスで許してね?
「あ、早菜!ニノの言うことは信じちゃダメだよ?」
「なんで?」
☆おしまい☆