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興奮しているのは間違いない。イメージ通りと言ったらなんだけど、見た目そのままの激しい抱き方をするようになったのはいつからだっただろう。強い目で真っ直ぐに見てくる彼の視線にどうしたら良いのか分からなくなるのはいつも。





「……見るな」




恐らく興奮で、とてもじゃないけど見せられるような顔をしてない。見られること自体に抵抗があるのに、だからと言って多分視線を逸らされたら不安になることが自分でわかる。





「すげぇキレイ」




俺を見てそう言ってくれるけど、少し癖のある髪や少し尖った顎から滴り落ちる汗を気にしないで俺に夢中になって動くそっちの方がキレイだろうと言いたくなる。





「……お前……のほうが……」




だけど上手く言葉にはならない。揺らされ続ける体から出る声がちゃんとした言葉にならないから。気持ちがいいと喘ぐためだけにしか声が出ないから。




それなのに。






『守ってあげられなくてごめん』





こんな時なのに頭の中に響く。切ないのに甘い声は誰のかも分からない。だけどこいつの声では無いことだけは確かで。その誰かも分からない声になぜか俺は興奮していた。










甘えさせてあげなくちゃ。いつも思っている。俺よりも体は厳つくなったけど基本的な中身は変わらない。俺を抱くのもそう。噂は沢山あるけど、本当の所は俺だけしか抱いたことがないはずで。確かめたわけじゃないけど「初めてヤル」と言った日から今日まで、俺が見る限り他の影はない。




こんなに良く育った体が俺だけで満足なのかは些か疑問ではあるけれど。って、もしかしたら噂通りに女でも抱いてるのかもしれないけど。




「まぁ、それなら仕方ないだろうな」




遊びたい年頃に全部俺となんだから。今頃になって他に目がいっても仕方が無いと思うのは正直なところ。それに対して俺がとやかく言う事でもない。だって兄貴にそんな干渉されたくないだろ?





「でも今更女なんか抱けるのか?」



なんて要らぬ心配をしてしまうのは兄弟愛ってやつだと思う。俺だけしか知らない弟であって欲しい気もするけど、女を抱かない人生もどうなんだ、と。俺にある経験にとてつもなくヤキモチを焼く奴だから、どうなのかは分からないけれど。




「その時がきたら祝ってやんなきゃな」




なんて余裕でいられるのも今のうちだったりして。だって間違いなくアイツはモテるだろうから。歳を重ねて更に優しさがプラスされて、いい男だと思うから。




「兄離れもいつかはしなくちゃ、だろうしな」




隣で俺を抱きしめながら眠る弟を見ながら、今まで思うことがなかった事を、何故今急に思ったのか不思議だった。