…気になるやつがいる。
と言っても、自分的には気の迷いだと思いたい。
友「それ、単なる憧れだろ。」
それか病気。と告げて席を立つ友人。
あれ、俺結構真面目に話してんのになぁ…
なんか冗談扱いされてる。
「え、ちゃんと考えてくれよ。」
は?と振り返って怪訝そうな顔をする。
友「翔の事なんかしれねぇっつーの。」
…優しかった君はどこへ。
あぁもう、考えるのをやめるか。
ふぅ、と溜息をつき教室に戻る。
ポケットの中で震えるケータイを手にし、通信相手を確認。
…問題の、あいつだ。
「もしも…」
優『しょーーーくんっ!出るの遅いよ、ばかっ!!』
キーン、と高い声が鼓膜に響く。
えーと…音を感じる神経ってどこにあるんだっけ。
…じゃなくてっ
「優、今学校なんだけど。」
只今、木曜の10:40。
しかし優は俺の事を無視する。
…今日の扱い、ひどくね?
優『緊急招集!今日の時間、忘れてるでしょっ!!』
胸ポケットから、小さめのスケジュール帳を出す。
ペラペラとページをめくり、今日の所にたどりつく。
細かい字で書いてある、メモを見て数秒停止。
[11:00~バックの練習・遅刻厳禁]
「あぁーーーーーーっっ!!?」
優『やっと気付いたか、ばか。本当にばかっ!』
すっかり忘れていた、そんな自分を呪いたい。
急いで職員室に向かう。
「せんせぇ…今日、レッスンだったんですけど。」
話しかけると、振り向いて溜息をつく高橋先生。
あれ、ここでも同じ感じかな?
担「ったく、櫻井。順位も少し下がったし…ちょっと気ぃ抜けてんじゃないのか?」
「す、すみません…」
まさか、順位が下がってるとは思わなくて。
急に言われたから余計ダメージを食らう。
なんとか許しをもらえ、その場から逃げだす。
なんといっても、俺が「これ」をやっていけるかは、成績次第だからだ。
とりあえず今までは何とか大丈夫だったが…
先生に溜息をつかれると、さすがに身構えしてしまう。
…俺、まだまだ弱ぇな。
一年前の事を思い出し、苦笑する。
外に出て空を仰ぎながらカツを入れる。
「絶対、強くなる。」
空は、青かった。
