第十話「冬の晴れた日に」
ついに最終回ですね。結局別れてしまうんだろうな。でも、きっと一番納得のいく別れ方になるんじゃないかな。ゆきおは多くは語らなかったけれど、文菜の突飛な行動にもずっと寄り添ってくれていたから、きちんきちんと文菜が納得のいく言葉で説明してくれるんじゃなかろうかと…期待したのだけれど…。
視聴終了
ゆきおが多くを語ったのは、言葉ではなくて、困惑、嫌悪、諦め、呆れ…を表す、ほんのわずかな表情の変化。
文菜がこれまでのことを語りだしたときのスンッと沈んだ表情。怒りはないみたい、諦めとか、やっぱり…とか、そんな感じの自嘲がまじった優し気な目が…文菜を鋭く突いていく。
それでも、自分勝手を言う文菜に理性的に向き合い、理解しようとする姿勢はみせるものの。初めに「別れる」ことを決めていたとおり、「別れない」は「無理」、「続けていく」は「無理」ときちんと線を引く。
「古民家カフェ」で話をすることを決めた理由もしっかりしている。「もう一生来なくても困らない場所」だから。すごくよくわかる。それなのに、文菜は「最後に髪を切ってほしい」とゆきおのプライベート空間に最後まで居続けようとする。古民家カフェって普段使いな感じがしないものなぁ…そんなには行かないから丁度良かったのかな。
「じゃあね」と別れた後、もう一度やってきて「一回帰ってまた来たから、もう一回、出会い直せないかな?知らない人が知ってる人になったら、もう不安じゃないでしょ。もっともっと知ったら不安じゃなくなるかも…」とお道化る文菜に「ごめん。もう文菜のことを知りたいと思わないんだ」と決定打をつぶやく。
「もう知りたいとは思わない」これを言われたら、本当に終わりだよね…。それだけゆきおは苦しんだ、文菜は自分の苦しさばかりに気を取られて、ゆきおの苦しみを最後まで理解できなかった。あの行動で、ゆきおの中の文菜への好きは無くなってしまった。「知りたくない」は「好きではない」だ。
9話までずっと文菜を肯定する世界観だったけれど、最終話でゆきおの視点が入る。山田の行為は客観的に見て卑怯だし、それに追随する文菜は自分たちの状況に酔っているだけだとバッサリ。そうなんだよねぇ。
ゆきおにフラれ、ひとりでいることで心が安定する文菜。文菜の「好き」は軽い。相手の「好意を享受」するのが「好き」みたいにも見える。あれだけ可愛くて特別感のある子なら、「好意」は始終やってくるものなぁ、浮ついた気持ちになってしまうのもわかる。
結局。最後は小太郎にかえっていく。美味しく実った果実をいただくだけの“いちご狩り”。自分を好きでいてくれる人との時間は癒しだ。恋愛感情がなくても、親しさとは好ましさで、それはつまり「好き」なんだ。友達には進展がなくて、ちょっと仲良しにはなれるだけだとか…どうしてどうしてそんな線引きするんだかわからないが…。
そこにいる人が皆幸せそうな「いちご狩り」で終わったのが良き。「お誕生日おめでとう」の拍手パチパチと、解かれた水色マフラーでできた赤いブツブツ。小太郎の推しが文菜なのはたしかだけれど…どこかでブツブツができてしまうような嫌悪があったりしないのかな?
以下視聴しながらセリフ書き出しのネタバレです
★★★
古民家カフェ。
テーブル席につく二人。文菜は誕生日にプレゼントされた水色のカーディガンを着てきている。
頼んだのはチーズケーキとコーヒー
「あのね、本当に最低なんだけどね。私はゆきおと付き合っている間に、ほかの人とつきあったり、ほかの人に惹かれたりして、私はたぶん、ほかの人よりすぐに人のことを好きになれてしまって、でも、向き合わなくてもいい人と浮気したりして…なんか自分でもよくわからないんだけどね。私はいつからか、一人の人とちゃんとつきあうというのができなくなっていて、…それで、それを伝えるのは完全にゆきおのためにならないし、自分のためなんだけど、今の私の正直な気持ちを全部」
ゆきおの視線が急に冷めていく
「え、聞くよ、せっかくだし、聞かせて全部」
「うん。あのね…
それから、ゆきおに隠していたことを一つ一つはなしていった。何度か浮気したこと、でも最近はしていないこと、名前こそふせたけど、山田さんに惹かれていたこと、山田さんには恋人がいることを隠していなかったこと、山田さんにも恋人がいること、でも、お互いに惹かれていたこと。ゆきおに話せない心の内をいつも山田さんに聞いてもらっていたこと。
「本当は一番話を聞いてほしいのはゆきおなのに、一番すべてを話したいのはゆきおなのに…ということを聴いてもらっていて。その人は俺もそうなんだよねって、俺も彼女のことが一番大切で、悩みとか聞いてほしいのは彼女なんだって」
「え。勝手すぎない?あなたもその人も。その人は文菜のことより彼女のことが大切で、それでいいの?文菜は」
「その人の恋人はこの世にいなくて、その人は、それに気づいていなくて…というか、彼女が生きていると思って生きている。ずっとこう、死が近くにある人っていうか、最初はそれが心配で近くに居たのかも。生きていて欲しくて」
「それってさ。それって、一番卑怯じゃない?死にそうとか、それで私がついていなくちゃって、人の善意を利用するのは卑怯だよ。だって、それは人質じゃん。自分がいなくなったら死んじゃうかもっていうのって、俺、そういうのが一番嫌かも…でも、死んでほしくはないもんね」
「なんか。その人は、私といると楽しそうで。でも、その人にとっては楽しいってことが罪悪感に通じるようで、また苦しくなって…まぁ、そういう感じです。なんか私はどうしたらいいのか本気でわからなくなっていました。でも。このまま黙ったまま、ゆきおとつきあっていくことはできないなって感じて、話をしました」
「で、文菜はどうしたい?それでも、俺と一緒にいたい?」
「居たい」
「そっか。で、その人とはいまどうなっているの?」
「もう会わないってなってて。でも仕事関係で会うかもしれなくて」
リュックを開いて…水色のマフラーを取り出す
「あれじゃん。色、温泉ズブルー」「それにしてみた」
でも、ゆきおは受けとろうとしない。でも、手にして、ビニールを開け、広げる、文菜の首にかける。
「文菜別れよう」「いやだ」「俺、なんとなくわかった。様子がおかしいこと、何かに苦しんでること。俺の話をきいてくれる?」
「俺ね、温泉行く前からきづいてた。なんなら、一緒に住まないって言ったときから。考えないようにしていたけど。もうこれは、終わりかもな…もう終わってしまうのかなって思ってて、だから、温泉旅行とか計画して、結果、楽しかったんならよかった。で、その服あげて、マフラー編んでってお願いして、マフラー編んでいる間くらいは、俺のことを考えてくれるんじゃないかなって思って…もらう気なかったけど。最低だけど、ごめんね。俺はもう、別れようって決めてた。だから、コインランドリーで待ち合わせして、入ったことのない古民家カフェに入った。うちの家や店でもよかったんだけど、思い出すじゃん?だから、もう一生来なくてもすむようなところで話をしたかった。おれさ、文菜のこと好きだよ。今でも。だから、無理かな。続けるのは…」
文菜がちいさくうなづく。
「あ、紗枝いるでしょ。うちで働いている。あなたと別れたらつきあうかもしれない。何度かデートして、すごくいい人なんだ。実はさ、文菜とのことも相談に乗ってもらってて…」
「そっか。」
「うん。以上です。全部話してくれたから、俺も話した」
「その紗枝さん?今はなさなくてもいい、紗枝さんの話をしてくれたのは…わたしのため?私の気持ちをちょっとでも気持ちを軽くするため?」
どこまでも自分本位にしか物事を考えられないんだな…文菜は
「ううん。そんなことないよ。俺、そんなにやさしくないし。浮気していたわけじゃないし。別れてほしい。お願いします」
「わかった」
「ありがとう」
「ごめん…」
「こちらこそ、ごめんね」
「一つだけ…最後にひとつだけお願いしてもいい?髪を切ってもらえないかな。整える程度でいいから、お願い」
「店で別れ話はしたくないって言ったよね?」言ってた言ってた
「だから、別れ話はしない。話すとしても、意味のない話をしよう」ええ!なんでそうなる
「勝手だなぁ…マジで…」ホントマジで勝手な女だなぁ…気持ちいいくらい自分の気持ちが優先だ!だから好き文菜!
CM
水色…建物の色もカーディガンも手編みのマフラーも水色だ。こんなに明るい水色だったっけ?前回はもっと深い色だった気がする…。
2人が話をしたこと
「日常と非日常」について
カットとシャンプーをして…「はい終わり」
「さっぱりした」
「さっぱりさせた」
「温泉のときさ、口の話をしたの憶えている?口は機能が多すぎるって話。あのとき、ダンスみたいになったでしょ?とダンスを始める二人。あのあと気づいたんだけどね…こうやってちゃんと向かい合ったら、動かなくても耳は近くにある、日々バタバタして向き合うことができなかったからきづけなかっただけで、本当はちゃんとむきあったら、わかる…単純なことだったのかもしれないなと思って。
「ゆきお。私ね…これからも、人のことすぐ好きになっちゃうかもしれない。多分ね、結婚とかホント向いてなくて…なんか、特定の人とちゃんと付き合うとかも正直向いていない人間なんだと思うの。でも…それでも、この一年とちょっと。ゆきおと一緒にいられたのはさ、ゆきおが常に私のことを大切にしてくれていたからで、なんか、なんか、これも、ウソだと思われちゃうかもしれないけど。私はゆきおのことが一番大切で…一番失いたくてね。そう。それなのに、裏切るようなこと、何回もしちゃったんだろうって、ちょっと自分でも説明つかなくて…。フフッ。
「必要だからじゃない?」
「ん?」
「必要だったんじゃない。文菜にとって。もしかしたら、これは極論になるけど。そうしないと、文菜は死んじゃうんじゃない?泳いでいないと死んでしまう魚みたいに。まぐろとか?
「結局私は自分のことが一番大切で、一番。誰のことも、好きじゃないのかもしれない。本当に好きだったら、誰かに惹かれたりしないじゃない?好きって何?恋愛ってなんだろう?
「フフッ。ごめん。笑っちゃった。ゴメン、知らねぇって思って。まじで、どーでもいい」
「ひどい…(笑)」
「すぐできるよ。明日にはほかの男と寝てるよ」
「ねえ、最低なんだけど」
「あのさ。俺のことはもういいからさ、苦しまないでほしい。どんな恋愛をしようが、いろんな人と寝ようが、文菜が楽しめているのなら、全然いいとおもう。でもさ、それが、苦しいなら…文菜がそうすることで息をしにくくなるなら、ちょっと変われるといいかもね。おれにできることは、何もないけど」
「そうだね」
「では。本日はカットとシャンプーで7500円になります。もう恋人じゃないからね」
結局ゆきおはお金を受け取らない。
「お客さんとしてなら、また来てもいいのかな?」
「あんまりよくないかな。紗枝が嫌がるから」
「わかった。もう来ない」
コートを手に店を出たのに、すぐに戻ってきて
「やりなおせないかな?」って話をする。第一話のとき、ゆきおの家初めて行ってすぐにやった行動だ…今回のは痛い。とてもイタイ…ゆきおの表情がそう言っている。
「ごめん。もう文菜のことを知りたいと思えないんだ」
この世界中で、私以外の人間はゆきおに髪を切ってもらえるのに…とモノローグで愚痴る文菜。それもこれも…自分のしてきたことのせいなのに…。
私はもう、恋愛などしたくない。そう思うのと同時に、その悲しみの感情に嘘はないのに。私は心の奥底で安堵していることにきづく。ゆきおを解放できいことによるものなのか、自分を解放されたこによるものなのか…。
山田との関係、小太郎との関係、でてこなかった浮気相手との関係、を続けたうえでゆきおの恋人で居続けることが、文菜の理想だったんじゃないかなぁ。ただ、その状況に途中で飽きてきた。もう二度と「誰かに別れを告げられたり、フラレル」ことは避けたい文菜は、先手先手を打つうちに…今回のような結末に。
CM
公園にいる文菜と小太郎。「フラレター」「なんで文菜がフラレルんだ!」ブランコをこぐふたり。
リュックからマフラーを取り出し、小太郎に「あげる」というが、小太郎は「チクチクするのが苦手」と断る。文菜はホドク(解く)といいだし、すぐにマフラーを解いていく…毛糸に戻っていく。
解くと戻る…手繰り寄せる…。
小太郎は、毛糸にもどった水色のマフラーを文菜から貰う。いつか、文菜が自分にマフラーを編んでくれる未来を思ってと。
後々知ったことだが…このあと、小太郎の首には赤いブツブツがたくさんできたらしい
一年後の四月。
店内の一角に自分の小説
「冬と水色」を発表した。エンちゃんと自分の恋愛をもとにした小説は賞をとった。
いつもの喫茶店
ゆきおと別れてからの一年間。私は特定の恋人を作っていない。
水水しく実った大粒のイチゴを摘み取る文菜
ある晴れた春の日。エンちゃんに誘われて行ったいちご狩りに…小太郎もさそった。
白と緑と赤だけの非現実的な綺麗な画面
文菜に誘われたことで「友達よりちょっと仲良し」にこだわる小太郎
「一つ聴いてもいい?自分の好きと向き合い続けるの疲れません?」
「おれ、たまに思うんですよね。恋愛なんてシナクテモいいものなのに、誰かを好きになるなんて疲れるし最低のものなのに…でも、好きな人ができてしまうと、しょうがない。でも、俺のものではないし、誰のものでもないですからね。距離を大事にしつつ、あとは、文菜が笑っていればそれで」
小太郎と文菜とエンちゃん
イチゴを食べながら…ホントどうでもいい話をものスゴーく楽しそうにして、
皆で拍手をしながら
ドラマは終了
シーズン2やスピンオフがあっても面白いかも。今度は、ゆきお視点もしくは小太郎視点…。うーん。それはなんだか、違うな。文菜を理想の女にしてしまいそう。やっぱり、文菜の十年後が見たい。小さい子供が二人いて、結婚している文菜の姿がみたい。