きょうも、日傘を差して、映画『碁盤切り』を観てまいりました。

 

 草なぎ剛さん主演の時代劇です。

 

 落語の『柳田格之進』という、碁の好きな浪人が50両盗んだと疑われ、疑いが晴れた時に疑った商人主従を打ち首にする代わりに、碁盤を切るというお話。

 

 この映画を観に行こうと決めてから、ユーチューブで、もとになった落語『柳田格之進』を語る落語家の2人のビデオを観ました。映画にあった草なぎさんのかたき討ちは落語にはありません。そのほか、50両のために廓に身を沈める娘の様子も落語にはほとんど出て来ません。映画の脚本が上手く作ってあるのでした。

 

 お金のかたに娘が廓に身を沈める落語に、こちらも有名な『文七元結』というものがあります。こちらでは、娘の父親は、浪人ではなくばくち好きの職人なのですが、知り合いの女将の店に身を預け、大晦日までにお金を返さないと客を取らせるという期限がつくのですが、映画はそれと似た展開でした。

 

 時代劇の人々のすがた、長屋や両替商、廓の様子、かたき討ちで旅する様、賭け碁の様、かたき討ちの殺陣、登場人物もそれぞれよかったと思います。

 でも、わたくしは草なぎさんのお芝居は、正直あまり上手ではなかったと思います。國村隼さんと市村正親さん、小泉今日子さんはよかったと思います。娘役の清原果耶さんも。しかし、草なぎさんもかたき討ちの前後などいい部分もありました。全体として、いい映画だったと思います。

 

 めずらしく、どちらかというと女性が多い、かなりのお年寄りが見に来ておられました。あれは、草なぎさんのファンなんでしょうか?

 

 戦(いくさ)や殺し合いが中心ではない、庶民の生活が描かれた時代劇で人情噺の部分もあり、堅物すぎて同僚の藩士の不正を指摘し、咎めを受けさせたことなどを思い返すシーンなどもありました。

 

 単純ではない、人間味のあるいい時代劇映画でした。素人のわたくしの勝手な評価で、80点。