テレビの金曜ロードショーで、実写版「耳をすませば」をやっていた。

10年後の二人を描くというもので、アニメ映画のファンである私も気になって視聴した。

なお、アニメ版は、天沢聖司が実は計画的なストーカーだったり、月島雫がいつのまのか聖司と呼び捨てするようになったりと、一部で話題になったりした。

 

実写版の方は、中学生時代と現代を交差させながら、月島雫の夢と現在の状況のギャップを表すのが主題で、概ねアニメのエピソードなども崩さず入れている。

 

違っているところは、天沢聖司の夢がバイオリン職人からチェロ奏者に変わっていること、歌がカントリーロードから翼をくださいに変わっていることくらいであろうか。

 

2年前に、この実写映画の話題を聞いたこともなかったので、それほど評判にならなかったのだろうかと思い、映画comで評価を見てみた。

 

割と評価する人もいれば、かなり貶す人もいて、平均としてはまあまあと言うところだろうか。

私の評価も、まあまあというところで、5点満点の3.5点というところである。

 

評価者の中には、カントリーロードでないと批判する者も多かったが、的外れな意見である。この映画の雰囲気からすれば、翼をくださいの方がずっと合っている。

 

不満な点を書けば、イタリアでの天沢(松坂桃李)の状況があまり描かれなかったこと、月島(清野菜名)がイタリアに行ったときの二人の交流の描き方が物足りなかったことなど、である。

 

本作の監督は、脚本、演出を無難に進ませようとする傾向があるようで、テレビドラマ的な感じになってっしまったところが残念である。

コンサートなどの音楽シーンをもっと入れてほしかったが、場所や人員のための予算がなかったか。

 

出番は少ないが、松坂桃李は割といい演技をしているように思う。

予算をかければもっといい映画になっていたであろうが、見て損はしない映画だったと思う。(テレビではあるが)

 

ところで、この映画に限らないが、レビューで1点とかをつける者が結構いる。

映画にも文法があり、それなりの知識がないと正当な評価は下せない。

味音痴のくせに食べログで1点をつけるのがいるように、映画の歴史や常識を知らないくせに堂々と低評価をつける、というのは、結構恥ずかしいことである。

 

ちょっと余談でした。