もう大分昔となるが、京唄子、鳳啓助司会の「おもろい夫婦」(1969~1985)という番組があって、そこでは、中年から老年の夫婦が出てきて、馴れそめや夫婦生活を語る。

ダメな夫の話が多く、それを京唄子が叱責するというのが、多くのパターンだった。

 

京唄子は談話の冒頭に、「お見合いですか、恋愛ですか」と聞くのが定番になっていて、大体どちらかであることが多く、たまに、「いや、どちらでもないんです」という夫婦があった。違う場合は、押しかけ女房(か押しかけ夫)だったりとか、親同士が決めていたんです、というのが多かった気がする。

 

おもろい夫婦に出てくる世代は、戦争前後の時期に結婚した夫婦が多く、大体は見合い結婚で、それも一回あっただけで決まったとか、婚礼の時に初めて顔を見た、というケースが少なくなかった。

恋愛結婚は、割とまれで、戦後まもなく結婚した私の親も、見合い結婚だった。

恋愛結婚の場合、おかしい奴に引っかかるとか、家柄が違うとか、結構親が反対する場合も多かった時代である。

 

昭和は「家」という力が強かった時代であり、それが段々と、本人主体に変化したというところだろう。

 

ところで、最近の婚活状況に疎かったのであるが、どうもマッチングアプリで出会うというのが多くなっているという話を聞いて、時代も変わったものだと思う。

余り親が出てこなくなったのが特徴で、望む条件で登録し、会いたい人同士が顔合わせするらしい。

積極的な人が登録するのであろうが、婚活パーティよりは敷居が低そうである。

 

私が結婚した1990年代前半は、さすがにネットはまだなく、お見合い、恋愛、結婚相談所、お見合いパーティ(ねるとん紅鯨団的な?)等、色々揃っていた。

 

一応、当時の雰囲気としては、結婚はしておいた方がいい、というものだったように思う。

男の場合、35歳までにしておいた方がよく、ずっと独身だとあっち系と思われる、と言う人もいた。40歳を超えて独身だと、もう結婚する気のない人と思われていた。

今は、この年齢が5歳くらい高くなっているようであるが、高年齢独身者の割合が増えて、未婚が余り揶揄されなくなったようにも思う。

 

ところで、現在の結婚状況であるが、恋愛結婚は90%近くで、お見合い結婚は5%程度とのことで、驚かされる。

良くドラマで、相手の煮え切らなさに疲れた恋人が、「親からお見合いを薦められているの」と、奮起を促す場面が時々出てくるが、そんなことも起こりにくい状況になっている。

 

1990年頃は、お見合い結婚が10%ちょっと、恋愛結婚が80%以上となっており、統計上は既にお見合い結婚はごく少数派になっていた。逆転したのは、1960年代のようである。

 

だが、田舎出身で、回りに女性のいない職場であった私には、この数値には違和感がある。

私の回りには、結構お見合い結婚が多かった。私もそうである。

 

長くなったので、次回に1990年頃のお見合い状況を解説したい。