この前の日曜日、NHKのニュースを見終わった後、のど自慢が始まった。
岡山県倉敷からの放送で、そういえば岡山在住の知り合いの人が申し込んだが、予選を書類審査で落ちたと聞いていたので、どんなもんかと見始めた。
感想であるが、昔と比べて割と淡々と進められていて、まあまあ見やすくなったかなと思う。
50年前、親がのど自慢を毎週見ていて、私も見ていたが、いやな番組の一つだった。
その理由は、数々のわざとらしい演出である。
・年寄りが出てきたとき、司会が猫なで声で、「おじいちゃんは、どこから来ましたか」などと質問する。司会者は、内心「うっとおしい下手くその年寄りが、何しに来てやがんだ」と思っているだろうと、私は想像して、嫌な気分になったものである。
人によって対応を変えるようなアナウンサーが、信頼できる人であるわけがない。
・必ずゲストの持ち歌を歌う下手くそが出てくるが、ゲストが心にも無く「私だったら鐘3つですよ」などとおべっかを言う。会場もこの偽善に拍手をする。
・必ず、ちょけ役(ピエロ役の阿波弁)が出てきて、鐘2つで残念そうなリアクションをする。
・司会者が話を聞く出場者と、聞かない出場者がある。予定調和的で、予め決めているのが見え見えである。
久々に見たが、最近はカラオケバトルで歌ウマ素人をたくさん見ているので、鐘3つの人でも大してうまくないとも感じた。
さらに、親が見ていた、嫌いなもう一つの番組が「笑点」である。
この番組の例のテーマ曲が、日曜の終わりを告げるシンボルとして、もの悲しくなるのである。
よく、笑点に台本があるかどうかと言うのは話題になる。この真偽はよく分からないが、全くのアドリブでないことは確かである。お題は予め知っているだろうとは思うが、回答を自分で用意したのか、作家が書いたのか、それが問題だろう。
メンバーが回答して割と受けたとき、どんなもんだと言うように、他メンバーを見る事が多い。これが嫌である。本当に自分で考えたのか。
メンバーはキャラ付けされている。古くは、キザの三遊亭小円遊、ハゲキャラの桂歌丸などいたが、これも予定調和的すぎる。これも台本通りなのであろう。
大喜利というのは落語家の余興であるが、この番組に出ることが凄いことのように思われていること、これが一番しゃくに障る。
今は情報過多の時代であり、情報一方向のテレビはオワコンで、そのうち年寄りしか見なくなるのではないか。
そうなると、NHKのど自慢は、子供大会になるのではないか。大体の年寄りは、年寄りが嫌いで子供が好きだからである。