今日のニュースで、漫画家の一峰大二氏が先月に亡くなったと報道された。多分、60歳以上の人だったら、名前は知らなくてもその漫画は見たことがあるはずである。
私が一番覚えているのは、標記のどろんこエースである。
主人公は野球の投手であるが、魔球(ここでは超球といっていた)を投げる。覚えているのは、透明超球で、球が透明になるのである。しかし、それも打たれてしまい、新しい超球、原爆超球を開発する。これは、竜巻が複数発生し、どれらが合体し爆発するが、そこから球が出てくる。その原理に関心がある人は読んでみればいいと思うが、腕の振りで竜巻ができるらしい。人間業ではないが、それが通用するところが漫画である。球も物理法則を無視した動きをする。なお、透明超球は、ボールの周りの空気の流れでレンズのような効果が生まれ、蜃気楼のように後ろ側を映して透明のように見させるらしい。
1960年代は、野球漫画が大盛況の頃で、一番有名なのは巨人の星だろう。多分クラスの男子はアニメを全員見ていたと思う。
大リーグボールは、その魔球である。1号はボールをバットに当ててフライやゴロで討ち取る。2号は消える。3号はバットの風圧でボールがよけてしまう。1号は打者の心理を読んでバットの動きを予測し、そこに正確に当てる。2号の消える理由は、土ぼこりが原因である。3号は投げ方に秘密があるが、なんでそのような動きをするのか説明がなかった。
ちょっと後になるが、侍ジャイアンツという漫画もある。この魔球は、ハイジャンプ魔球、大回転魔球、分身魔球という魔球がでてくる。最初の二つは、ジャンプして投げるのと、回転して投げるもので、投げ方の問題で、実際にボールの軌道が変化するわけではない。最後の分身魔球は、ボールを握力で変形させて投げることで、回転の重心が中心からずれて分裂したように見えるのである。この分身魔球は、なるほどと思ったものである。硬球を変形させるのは無理だと思うが・・・。
一峰氏は、他にもウルトラマンシリーズやヒーローもののコミカライズも行っておられた。電人アローも昔読んでいたが、知っている人はいるであろうか。漫画雑誌「少年」に連載されていた。この月刊誌も伝説の漫画雑誌と言っていいだろう。
氏の冥福を祈ります。